キムラユニティーの車両管理システムKIBACO

運転時の「眩しい!」にご注意

はじめに

 秋から冬にかけての季節は空気が澄み、紅葉や雪景色など美しい風景が広がる絶好のドライブシーズンです。しかし、この時期の運転には思わぬ落とし穴があります。それが「西日による眩しさ」です。実は、秋冬は夏に比べて西日が眩しく感じる時間が約1.5倍にもなると言われています。今回は、西日眩しさが引き起こす危険性と対策について詳しく見ていきましょう。

 

眩しさが引き起こす危険性

 西日による眩しさは、視界を遮るだけでなく、交通事故のリスクを高める要因にもなります。運転中に一瞬目がくらむような経験をしたことのある方も多いのではないでしょうか。時速60キロなどで走行している車で、一瞬でも視界が奪われてしまうと重大な事故に繋がる危険性が高くなります。特に以下のような場面では注意が必要です。

信号や標識が見えづらくなる

2509_2_1.png 西日が強く差し込むと、信号の色が判別しづらくなり、標識が反射して読めなくなることがあります。



歩行者や自転車の発見が遅れる

2509_2_2.png 逆光の中では、歩行者や自転車がシルエットとしてしか見えず、距離感や動きが把握しづらくなります。



前方車両のブレーキランプが見えにくい

2509_2_3.png 太陽光が反射してしまうと、前方車両のブレーキランプが見えづらくなり、追突の危険が高まります。


 

―なぜ秋冬は西日が眩しいのか?

 太陽の動きに注目してみましょう。は太陽が高い位置を通過するため、夕方になっても太陽の光が直接目に入る角度になる時間は比較的短めです。一方、秋冬は太陽の高度が低く、地平線近くを移動します。そのため、午後の早い時間から夕方にかけて、太陽の光が斜めに差し込み、運転者の目に直接入ってくる時間が長くなるのです。さらに、秋冬は空気が乾燥していて澄んでいるため、太陽光が散乱しにくく、より強く、鋭く感じられます。これが「眩しさ」を増幅させる要因となります。そして、交通事故率が高いのは太陽が10°〜30°の高度に位置する時だと言われています(科学警察研究所調べ)。ちょうど、運転中に太陽の光が直接入りやすい角度にあたることがわかりました。(逆に10°になると、建物等で遮られ、交通事故率は一気に下がります。)

 

対策方法

 視界が遮られると、歩行者や障害物、対向車を認識できずに大事故に繋がってしまいます。
では、秋冬の西日にどう対処すればよいのでしょうか。以下のような対策が有効です。

1.サングラスの活用

2509_2_4.png 偏光レンズのサングラスは、眩しさを軽減するだけでなく、反射光も抑えてくれるため、視界がクリアになります。特に夕方の運転には必須アイテムです。

2.サンバイザーの調整

2509_2_5.png 車のサンバイザーを適切に使うことで、直接目に入る太陽光を遮ることができます。角度をこまめに調整することで、効果を最大限に発揮できます。

3.フロントガラスの清掃

2509_2_6.png 汚れたガラスは光を乱反射させ、眩しさを増幅させます。定期的な清掃を心がけ、特に内側の油膜やホコリはしっかり取り除きましょう。

4. 時間帯を意識した運転計画

2509_2_7.png 西日が強くなる時間帯(午後3時〜5時頃)を避けて運転するのも一つの方法です。特に長距離ドライブでは、出発時間を調整することでリスクを減らせます。

5. 速度を控えめに

2509_2_8.png 眩しさで視界が悪くなると、反応速度も遅れがちです。安全のためにも、速度を控えめにし、車間距離を十分に取るようにしましょう。

 

ここまでは秋冬の西日の眩しさについてお伝えしましたが、次に季節に関わらず年間を通して注意が必要な「運転中のヘッドライトの眩しさ」についてもお話します。

―対向車のヘッドライトが眩しい時は?

 昔は信号待ちや踏切待ちの際にライトを消すというマナーが一般的でしたが、最近ではオートライト機能の普及により、ドライバーの意識が希薄になってきています。オートライト任せにせず、自らの判断で適切なライト操作をすることが求められます。そんな眩しいヘッドライトから身を守るために、個人でできる対策を3つ紹介します。

1.直視しない

 対向車のヘッドライトのまぶしさは突然なので、事前の対策が難しいです。何も対策グッズが無い場合は、シンプルにそのヘッドライトの光を見つめないことを意識してください。直視すると、網膜にしばらく残像が残るのですぐに暗いところが見えづらくなってしまいます。目線を運転に支障のない程度に左に反らし(対向車のいない方)、切り抜けましょう。

 2.夜間用サングラスで防止

 夜間用のサングラスがあることをご存じでしょうか?夜に真っ黒のレンズだと全く見えなくなってしまうので、イエロー系の透過率の高いレンズのもので偏光レンズを使用したサングラスがおすすめです。偏光レンズは、目に入ってくる光の方向を制限する効果があり、物体に乱反射した光が眼に入るのを防ぐことができます。夜の着用では、ヘッドライト系の光のまぶしさを軽減する作用があるだけではなく、繁華街のネオンサインの明かりや、テールランプの明かり、さらには雨で路面に反射した光などギラギラした光に対して効果があります。もちろん「夜間用」といえど日中のドライブでも使用は可能で、雪道の照り返しにも効果があるだけでなく、視界のコントラストもはっきりします。

3.デジタルインナーミラーの導入

 後続車のライトの眩しさに悩まされる場合は、デジタルインナーミラーがおすすめです。自動で反射を抑えたり、映像処理によって視認性を向上させたりすることが可能です。

 

ドライバーの意識が事故を防ぐ

 西日による眩しさは自然現象であり、またヘッドライトによる眩しさもまた、運転をしている以上避けることはできません。しかし、ドライバーがそのリスクを理解し、適切な対策を講じることで、事故の可能性を大きく減らすことができます。これからの秋冬のドライブは、景色を楽しむだけでなく、家族や友人との大切な時間を過ごす貴重な機会です。その時間を安全に、そして快適に過ごすためにも、「西日対策」のポイントは欠かせません。次のドライブでは、ぜひ西日の時間帯を意識しながら今回ご紹介した対策を活用してみてください。少しの工夫が、大きな安心につながります。