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【注意喚起】モバイルバッテリーの車内放置にご注意

はじめに

 みなさまはスマートフォンやワイヤレスイヤホン、モバイルバッテリーなどを車内に置いたまま出かけてしまうことはありませんか?これらの電子機器にはリチウムイオン電池が使われており、高温に非常に弱いという特性があります。そのため、夏の車内に放置すると最悪の場合、発火や爆発につながるリスクがあること、ご存知でしょうか。

リチウム電池の熱暴走

 炎天下における車内はどれほどの高温になるのでしょうか。JAF(日本自動車連盟)の実験によると、外気温が35℃の日に日向に駐車したクルマの車内温度は、30分55℃前後、1時間60℃を超えることもあり、特にダッシュボードの表面は70℃以上に達するケースもあります。このような過酷な環境下に、熱に弱いリチウム電池を搭載した製品を置きっぱなしにしてしまうと、やがてリチウム電池の「熱暴走」という危険な現象が発生する恐れがあります。

 熱暴走とは、電池の内部温度が上がることで激しい化学反応が起こり、その反応によってさらに熱が発生して、加熱と反応の連鎖が止まらなくなる現象です。いったん暴走が始まると自然には冷めず、発煙・発火、最悪の場合は爆発に至ることもあります。

特に注意したいリチウム電池を搭載した製品は以下のとおりです。

スマートフォン

モバイルバッテリー

タブレット・ノートPC

ワイヤレスイヤホン

電子タバコやVAPE

モバイルWi-Fiルーター

携帯型ゲーム機

ポータブル扇風機・ハンディファン

コードレス掃除機

スマートウォッチ

電動工具バッテリーパック

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 上記の製品以外にも「充電式である」「小型でも高出力」といった特徴を持つ製品にはリチウム電池が搭載されている可能性が高いと考え、車内には安易に放置しないようにしましょう。車を降りるときは持ち出す習慣をつけることが重要です。もしも車内に置いておく場合は断熱遮熱素材を使ったポーチや専用ケースを使うと安心です。

 「ドライブレコーダーは車内に置きっぱなしで大丈夫なの?」と心配になりますが、 ドライブレコーダーに内蔵されているリチウム電池は、車内常設を前提に設計されたものが使われているのが一般的です。そのため、ほとんどの製品は真夏の車内温度の上昇も想定されて設計されています。
 また、最近では「スーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)」を採用することで、リチウム電池そのものを使わないモデルも増えており、過熱によるリスクはさらに低減しています。しかし多くのドライブレコーダーはルームミラーのすぐ近くやフロントガラスの上部中央付近に設置されることが多いと思います。この位置は、夏場にもっとも日射が集中して温度が上昇しやすいエリアです。長時間、直射日光に当たり続けるとドライブレコーダー本体や内蔵バッテリーに負荷がかかりやすく、バッテリーの劣化が早まり、内部部品の寿命が縮む原因になります。サンシェードを使うなどして、直射日光がドライブレコーダーに当たらないような工夫をすると安心感は高まります。

 リチウム電池は経年劣化しやすく、性能が低下すると発熱しやすくなります。使用から5年以上経過しているような製品に関しては、電池パックが膨らんでいないか、突然電源が落ちたり録画時間が極端に短くなったりしないかなどをチェックして、兆候がみられたら点検・交換を検討しましょう。

その他の車内に放置すると危険なもの


またリチウム電池搭載製品ではなくとも、車内に放置すると危険なものがいくつかあるので下記製品に関してもご注意が必要です。

 スプレー缶(消臭剤、ヘアスプレー、塗料など)

2507_2_2.png スプレー缶の内部は高圧ガスで満たされており、高温になると内圧が上昇して破裂するおそれがあります。

 炭酸飲料・缶ビール

2507_2_3.png ペットボトルや缶に入った炭酸飲料も高温となって内部の圧力が高まると、破裂して中身が飛び散るおそれがあります。特に冷凍・加熱に対応できる設計になっていない容器は要注意です。

 化粧品・日焼け止め・香水・医薬品

2507_2_4.png 中身が変質したり、容器が変形したり破裂することがあります。ちなみに、クリーム類や医薬品は変質しやすいため、保冷効果のあるケースに入れるのがおすすめです。

 CDDVD・スマートカード

2507_2_5.png 熱で反り返り、読み込み不能になることがあります。ICチップ入りのカード(運転免許証、ETCカードなど)は、高温でデータが破損する可能性も。少し面倒ですが、ETCカードは長時間にわたり駐車する場合は車外へ持ち出すことをおすすめします。

 メガネ

2507_2_6.png 熱で変形変色し、樹脂フレームのメガネなどは、ゆがんでフィットしなくなることもあります。

最後に

 夏場における炎天下で長時間駐車される場合、車内温度は急激に上昇します。車内に残されたモバイルバッテリー・スマートフォン・タブレット端末など、リチウムイオン電池を使用した製品は、高温となることで発煙発火の恐れがあります。また、相次ぐ機内でのモバイルバッテリーの発煙・発火事例を受け、日本の航空各社では78日から、モバイルバッテリーの機内への持ち込みに新たなルールが設けられましたが、車内においても発火、爆発等、思わぬ事故に繋がる恐れがあります。まだ暑い日が続きますので、この機会に車内の荷物などを見直してみてはいかがでしょうか。