運転中の体調不良の対処方法について

 新型コロナウイルス発生の報道が出て約半年が過ぎようとしています。このウイルスは世界に広がり私たちの通常の生活を根底から覆してしまうほど非常に感染力の高い強力なウイルスであることが周知の事実であることは間違いありません。今回は、この状況下での安全運転と体調管理に関して考えていきます。

運転中発生する体調不良の現状

2005_2_1.jpg ドライバーが運転中に体調不良になったり、意識を失ったりするなど、急病や発作が原因で起こる事故は年間200~300件ほど報告されております。
 病気・発作の内訳としてはてんかん、脳血管障害、心臓麻痺が多く、中でも脳血管障害は高齢になるにつれて多くなります。新型コロナに関しましても血流停滞などによる血栓症が原因の一つにあがってきているというデータから考えていくと運転中に急激な体調の変化を起こし事故を発生させてしまう可能性も考えられます。

発作、急病事故の特徴

2005_2_2.jpg 体調不良が原因の事故における特徴は、死者・重症者数の割合が高いことです。特に発作など急病の場合では車両単独での事故になる傾向が大きくなります。また、車両同士の事故になったときは、正面衝突事故になることが多いのが特徴です。

理由としてはハンドルやブレーキ操作ができなくなるため、回避できないことが挙げられます。また無意識にハンドル操作をしてしまい、左右に蛇行することも多くなります。

体調不良による事故を防ぐには

ではどうすれば体調不良による事故を防ぐことができるでしょうか。
以下の点に気を付けると事故を少しでも減らせるかと思います。

1:日頃から気を付けたい健康やコンディション管理

2005_2_3.jpg日頃から適度な運動や食事をとり、運転時は特に体のコンディションへの注意が必要です。定期的に健康診断を受けるのも大切です。また眠気や体調不良を感じた場合は運転を控えましょう。特に発熱や味覚、臭覚障害などの症状がある場合はただちに運転を中止し、専門の医療機関を受診、相談することを強くお勧め致します。

2:周囲からの注意

 2005_2_4.jpg自己判断以外に、家族や同僚などからの注意も大切にしましょう。少しでもおかしいと指摘をされたら運転を控え、医療機関の受診など適切な対応をすることが大切です。特に安全運転管理者の方は、「点呼・日常点検による安全運転の確保」を行う必要があります。運転者への点呼時には体調確認を確実にお願いします

 家族や会社内でも無理をしないさせないという観点で周囲の人を見ていただき、健康やコンディション管理を頻繁に行う為の仕組みづくりができると良いですね。

もし運転中に体調不良になったら

2005_2_5.jpg 走行中に体調不良になったり、少しでも不安を感じたりしたら、車を路肩に止めて様子を見るようにしましょう。無理をせず、継続的に運転するのはやめて救急車を呼ぶなど救助を求めましょう。高速道路や有料道路の場合では、道路管理者に速やかに連絡することも必要です。自分自身だけでなく、周囲の車や歩行者にも危害を及ぶことも考えられるだけにくれぐれも無理は禁物です

最後に

 自分の体調よりも仕事や予定を優先してしまう場面は、これまでにあったかもしれません。しかし無理をして運転中に体調を崩すことで自分の身体が辛いだけでなく、周りの人にも心配をかけてしまいます。
 さらに流行中の新型コロナウイルスは自分が感染していた場合に周囲へ感染させ、重症化・最悪の場合死亡するリスクも孕んでいます。これまでの考えから脱却し、「体調の悪い時は無理をせず休む意識改善」「体調不良時に休みを取れる環境づくり」が、運転中の体調不良から起こる事故を防ぐことに繋がるのではないでしょうか。