台風による大雨やゲリラ豪雨など、大雨の際に注意しなければならないのが、「アンダーパス」の冠水です。
雨水が集中しやすいアンダーパスでの冠水事故は全国で多く発生しており、荒天時の運転では命と車を守るために、十分な備えと早めの判断が必要になるでしょう。
そこで今回は、そもそも「アンダーパス」とはどのようなものかも含めて、その危険性や命を守る対策方法をご紹介していきます。
業務で車を運転する必要がある企業の方なども、ぜひ参考にしてみてください。
1. アンダーパスとは?

アンダーパスとは、鉄道や道路などの交差のため、前後の区間よりも急激に高さが低くなっている区間のことを指します。
日本語では「地下横断道路」「掘割道路」などと呼ばれることもありますね。
信号待ちを無くし交通をスムーズにするという役割があり、全国に多く作られていますが、アンダーパスには、水が集まりやすいという大きな注意点があります。
1-1. オーバーパス・地下道などとの違い
アンダーパスと混同されやすいのが、オーバーパスと呼ばれる区間や、地下道です。
オーバーパスはアンダーパスとは逆に、立体交差の道路などで上をくぐる構造の、周囲よりも高くなっている区間を指します。
構造上、アンダーパスとは反対に冠水のリスクは少ないでしょう。
地下道は掘り下げるように作られるアンダーパスとは異なり、地下をくりぬいて設置されたトンネルのような通路になっています。
アンダーパスは主に車両が通り、地下道では主に歩行者・自転車などが利用するという点も違いがありますね。
2. アンダーパスは冠水しやすい!その理由とは
前述したように、アンダーパスには交通のメリットがある反面、水が集まりやすく冠水しやすいというデメリットがあります。
大雨の際の運転では注意が必要ですが、その雨量の目安として、時間雨量30mm以上では、国土交通省の道路事務所で注意喚起やパトロールが行われるとされています。
もちろん、それより少ない降水量でも、強い雨では前方が見づらくなったりと危険が伴います。
それでは、アンダーパスはなぜ特に注意しなければならないのでしょうか。
それには、
- 雨水が集まりやすい地形
- 排水設備の限界
といった構造上の理由があります。
2-1. 雨水が集まりやすい地形であるため
アスファルトで覆われた道路では降った雨は地面に浸透しにくく、地表を流れていきます。
アンダーパスは前後が下り坂になっているために、雨が降れば雨水が重力に従いその坂を下って、アンダーパスの底に流れ込んでしまうでしょう。
地形上、じょうごの様に周囲の雨水を集めてしまい、しかも一番低い底の部分に水が集中しやすいため、入口の水深からは判断できないほどの深さになっている可能性がある、というのが、アンダーパスの冠水の恐ろしい点です。
2-2. 排水設備の能力にも限界があるため
もちろん、地形上アンダーパスに水が集まってしまうことは想定されているため、排水ポンプの設置など設備的な対策もなされています。
しかし、排水設備の能力にも限界はあるでしょう。
想定を超えてしまうような豪雨の場合ではポンプでも処理しきれず、行き場を失った水がアンダーパスに溜まっていってしまうことがあります。
国土交通省でも「排水能力を超える雨が降った場合に、アンダーパス部の冠水による事前通行規制の実施と道路利用者への情報提供を行う」という方針を明示しているように、大雨の際には排水設備だけでは対応しきれない可能性があることを理解し、注意しておかなければなりません。
3. 大雨時に命と車を守る対策方法

運転時に大雨に見舞われた場合に備えて、日頃から対策を行っておくことが重要です。
水没から命と車を守るための対策法として、次のようなものが挙げられます。
- 脱出用ハンマーを備えておく
- リアルタイムで雨の情報を確認する
- 浸水リスクのある場所を確認する
- むやみに走行せず、安全な場所に移動する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1. 脱出用ハンマーを備えておく
まずは、万が一に備えて脱出用ハンマーを備えておきましょう。
水没の際、難しくなるのが車からの脱出です。
窓ガラスを破壊できる脱出用ハンマーを手の届くところに入れておくと良いでしょう。
3-2. リアルタイムで雨の情報を確認する
雨の予報や警報が出ている際には、雨雲レーダーなどでリアルタイムの雨・30分後など今後の雨量予測をこまめに確認しましょう。
リアルタイムの情報を確認し、早めに判断することが、安全のためには重要です。
3-3. 浸水リスクのある場所を確認する
アンダーパスはもちろん、河川の氾濫など、自身のいる場所や走行しようとしている場所が浸水リスクがないかどうかも事前に確認しておきましょう。
浸水リスクは、自治体のハザードマップや道路防災情報で確認できます。
3-4. むやみに走行せず、安全な場所に移動する
大雨警報が出ている場合など、一番の危険予防になるのは、車での移動を控え、むやみに走行しないということですね。
特に冠水した道路への侵入は絶対に避けましょう。
水が濁っているため実際の水深は分かりにくく、「これくらいの深さなら大丈夫だろう」と思っても中央部は非常に深くなっていることもあり得ます。
外出中に大雨に見舞われ駐車場所などが低い土地の場合には、早めに高めの場所など、安全な場所へと車を移動しておくのも重要です。
4. 水没した車からの脱出は難しい
車は、水深30cm程度の浸水でもエンジンが停止し走行不可能になる可能性があるでしょう。
水圧や電気系統のショートによりドアや窓が開けられなくなることもあり、水没してしまった車から脱出することは、備えがなければ難しくなります。
前章でもご紹介したように実際の水深は分からないため、少しでも浸水が懸念されるときには、早めの避難を心がけてください。
4-1. 万が一の際の脱出手順
万が一水圧でドアが開けられなくなり、浸水した車に閉じ込められてしまった場合には、次のような手順で脱出してください。
- 窓が水面より上にあり、作動するうちであれば、窓から脱出する
- 窓が開かない場合には、脱出用ハンマーでガラスを割り、脱出する
- ハンマーが無い場合には、社内に水が入り、社内外の水位差が小さくなるタイミングでドアを押し開ける(車が前傾している場合、後部座席側のドアの方が水圧の影響を受けにくい)
脱出ハンマーは日頃からしっかり手の届く場所に置いておくことが重要です。
また、合わせガラスが使われているフロントガラスは割れないため、サイドガラスを割ることも覚えておきましょう。
5. 企業でも!災害に備えた適切な自動車保険を

大雨などの災害時、「車が水没して故障してしまった」「流されてしまった」「傷がついてしまった」など、命を守れたとしても、車両そのものが被害を受けてしまうこともあるでしょう。
高い修理費用や買い替え費用がかかってしまう可能性もあり、特に企業などで社用車を利用している場合には、大きな損失となってしまうかもしれません。
そういった場合備えて、防災対策とともに行っておきたいのが、適切な自動車保険への加入です。
車両の補償が可能な車両保険に加入していれば、災害による被害を受けた際に保険金を受け取ることができるでしょう。
複数の社用車を持っていたり、業務に車を多く利用する企業では、事故や災害へのリスク対策のため、適切な補償を受けられる保険に加入しておくことは、非常に重要です。
この機会にプロに相談し、保険の見直しを行ってみてはいかがでしょうか。
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まとめ
今回は、大雨の際に冠水に注意したい箇所であるアンダーパスについて、その概要とともに、なぜアンダーパスが冠水しやすいかや災害への対策方法、また自動車保険についてまで、詳しくご紹介しました。
業務などで雨でも運転をしなければならないという場合もあるかもしれませんが、危険から身を守るためには、事前の災害対策とともに、しっかりとリアルタイムの状況を把握し、早め早めに危険を避ける行動を取ることが重要です。
企業では従業員を危険にさらしてしまわないよう、対策や適切な判断を行いましょう。


