社用車の盗難被害を防ぐには?企業がとるべき対策と責任について

車を所有する人にとって、車の盗難は注意したい犯罪のひとつです。
もちろん業務に車を使用し、社用車を持つ企業でも盗難被害は起こりうるため、日頃から十分な防犯対策を行っておくべきでしょう。

そこで今回は社用車の盗難被害を防ぐために、盗難の手口と企業ができる対策を、社用車盗難により企業に生じる責任やリスクも含めてご紹介していきます。
万が一盗難に合った際の対処も合わせて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

キムラユニティーの車両管理システムKIBACO

1. 社用車盗難に注意!盗難により企業が負うリスク

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車両盗難は様々な手口で行われており、企業でも社用車の防犯対策には力を入れたいところです。

万が一盗難が発生すれば、車両の買い替えや専用機材・ETCカードといった車載設備の損失により経済的損失が発生するだけでなく、仕事の道具となる社用車が無くなることで、業務に遅延などの影響が出る可能性もあるでしょう。

また、盗難に合えば、管理・対策の甘さから社会的信用を貶めてしまう可能性もあります。
最悪の場合、車内に書類など機密情報が残っていて情報漏洩などの2次被害を発生させてしまうこともあり得るため、大きなリスクとして注意しなければなりません。

1-1. 社用車が狙われる理由

社用車は、例えばオフィスの入り口付近など駐車場からの距離が近い場所でキーがまとめて管理されていたり、実際に使用しているスマートキーに対しては対策を行っていてもスペアキーへの対策が疎かになっていたりと、鍵管理による防犯の脆弱性から、狙われるリスクが高くなりがちです。

管理体制をしっかりしていなければ鍵の紛失・複製や持ち出しなどのリスクも排除しにくく、車両盗難のターゲットになってしまうこともあるでしょう。

2. 車両盗難の手口とは?

車両盗難の手口は年々多様化・巧妙化しています。

適切な対策を行うため、次のような主な車両盗難の手口について理解しておきましょう。

2-1. 鍵のピッキング・作成

ピッキング

ピッキングは車だけではなく家の侵入にも用いられる手法で、特殊な工具を差し込んで鍵を使うことなく解錠する方法です。

解錠した後は電気配線を直結してエンジンを始動させてそのまま乗り去ってしまいます。またトランク部分のシリンダー錠の形状を読み取って型を取り、合鍵を作成したら車に戻って盗むケースもあります。また、その場で鍵を作成してしまうこともできるそうです。

2-2. リレーアタック

リレーアタック

ほとんどの方が使われているワイヤレスキーですが、機能の弱点を突いた盗難が増えているそうです。

通常ワイヤレスキーは車とキーが発信している微弱な電波を相互受信して電子IDを照合することでドアの解錠・施錠、エンジン始動を行います。この動作はキーがクルマの周辺1メートル以内になければ作動しない仕組みです。

しかし「リレーアタック」と呼ばれる手口では、特殊な装置を持った犯人の一人が車の所有者に近づいてキーの電波を受信します。その電波を増幅して仲間に送信し、電波をリレーさせながら車へと近づいていきます。すると車はキーから発信された電波と誤認してドアを解錠、エンジンを始動させてしまうというものです。

ワイヤレスキーと車両自体が物理的に離れていても電波さえ中継できれば良いため、周囲にも怪しまれにくく、短時間で開錠できてしまうでしょう。

2-3. イモビライザーの無効化

イモビカッター

盗難防止装置として代表的なものといえばイモビライザーですが、この効果を無効化する手口もあります。

イモビライザー搭載車のキーには電子チップが埋め込まれていて、そこにエンジン始動のIDが記録されています。それを暗号化してイモビライザーへ送信し、復号化してIDが一致した時にエンジンを始動します。

しかしイモビカッターという特殊な装置は、車に搭載されているコンピューターへアクセスすることで鍵に内蔵されているID情報をリセットし、別のキーのID情報をコンピューターへ登録してエンジンを始動させてしまうことができます。

この他にも、鍵を付けたままの車から運転手が離れた瞬間を狙う方法や、車をそのままレッカー車やクレーン車で持っていく等、ありとあらゆる手口があります。

3. 社用車盗難を防ぐために企業がとるべき対策

それでは、車両盗難から車を守るにはどうしたらいいのでしょうか。

車の窃盗はプロの窃盗集団によるものが多く、全てを防ぎきれるとは言い難いのが実情です。
しかし何も対策しないよりは、するに越したことはありません。

社用車盗難を防ぐための対策として、挙げられるのが以下のようなものです。

  • 車から離れる時は必ずドアロックをする
  • 車の中に貴重品を放置しない
  • 盗難対策装置を付ける
  • リレーアタック対策を行う
  • 駐車場の防犯対策を強化する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1. 車から離れる時は必ずドアロックをする

ドアロック

基本的なことかもしれませんが、車を離れる時は短時間でも必ずキーを抜いてドアロックするようにしましょう。特にコンビニの駐車場でエンジンをかけたままの車を見かけますが、このような車は犯人に「車を盗んでください」と言っているようなものです。

少し車を離れるだけでもドアロックしてから車を離れる癖をつけるようにしましょう。

3-2. 車の中に貴重品を放置しない

車内に荷物を放置しない

車の中に貴重品が置かれているのが分かる状態になっていると、犯人からターゲットにされやすい傾向があります。鞄やパソコン等貴重品は車の中に放置せず、必ず持って出るようにしましょう。

またやむを得ず車内に荷物を置く場合は、車の外から見えづらい場所に物を置いたり目隠しをする等して外から何があるか気づきにくくすることも大切です。

3-3. 盗難対策装置を付ける

防犯対策装置

盗み出すのに時間がかかったりその場で音や発光するのを犯人は嫌がります。
犯人が車を盗みにくくするために、盗難対策アイテムを取り付けてみましょう。

ハンドルやタイヤをロックして運転をさせない「ハンドルロック」「タイヤロック」等の物理的に動きを封じるアイテムは比較的コストもかからず取り入れやすいアイテムです。車に振動を与えたり、ドアを無理やり開けるとアラームや光で威嚇する警報機も効果的です。

また、前述したイモビライザーも有効な防犯装置です。
未装着車も後付で装着できる場合がありますので、販売店に相談してみましょう。

先に記したイモビカッターの被害が不安な場合、イモビカッターをガードするアイテムも販売されているようです。盗難後の対策にはなりますが、セキュリティ会社が提供する位置情報サービスを取り付けていたことで発見され、車が戻ってくるケースもあります。

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3-4. リレーアタック対策を行う

リレーアタックへの対策のため、電波を遮断する防犯ケースや金属缶などにスマートキーを入れるという方法も、警視庁ホームページなどでも推奨されています。
また、電波を一時的に発信停止できる節電モードが付いているスマートキーもありますので、降車の際にこういった機能を利用するという方法もあります。

また、企業では防犯ケースの運用徹底による管理が大変になったり、鍵保管場所がまとまっていることによる盗難リスクもあるため、近年ではスマートフォンを鍵にできるデジタルキーに移行するというのもおすすめの対策法のひとつですね。

デジタルキーでは、鍵の無効化・管理もしやすく、管理者としても効率的に対策が行えます。


参考:「自動車盗」の防犯対策

3-5. 駐車場の防犯対策を強化する

明るい駐車場

自動車盗難が発生するのはほとんどの場合が駐車場だと言われています。自宅の駐車場、立体駐車場、コインパーキングの中でも人通りが少なく人目に付きにくい場所や、街灯がなく暗い場所は特に狙われやすい傾向にあります。

ですから、駐車する際には明るく人目に付きやすい場所に停めるのが大切と言えます。

企業では、駐車場そのものの防犯対策を強化することも非常に有効でしょう。
シャッターやチェーンゲート、防犯カメラ、センサーライトなど、防犯設備を設置し、盗まれにくい駐車環境を作るように心がけましょう。

4. 盗難された車が事故を起こした!企業に責任はある?

企業としてさらに注意したいケースが、社用車が盗難され、盗難後にその車で犯人が事故を起こした場合です。
盗難された社用車での事故は、企業側に責任は生じるのでしょうか?

企業に生じる可能性のある責任とそのケースについて解説していきます。

4-1. 運行供用者責任が生じる可能性がある

盗難された社用車が事故を起こした場合、基本的には、もちろん盗難し、事故を起こした犯人が責任を負います。

しかし、犯人が特定できない場合や逃亡している場合、また、車の管理に過失があったことで盗難が起きたと判断された場合には、車の所有である企業にも「運行供用者(自動車の所有・運行により利益を得る人)」として責任が及び、損害賠償義務を負うことになる可能性も大いにあります。

自動車損害賠償保障法第三条でも、「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる」とあります。
この「自動車を運行の用に供する者」が運行供用者であり、多くのケースで盗難、ひいては事故への責任が問われることになるでしょう。


参考:自動車損害賠償保障法 | e-Gov 法令検索

4-2. 盗難と横領のケースの違い

管理不備による盗難の場合には運行供用者としての責任が生じますが、万が一盗難被害の犯人が従業員による持ち逃げであった場合には、盗難ではなく「横領」と判断されます。

横領と判断されるケースではもし事故を起こした場合、もともとその従業員の社用車使用を許可していた企業の責任は、さらに大きくなるでしょう。
また、盗難では車両保険による補償が受けられることもありますが、横領の場合には基本的にこれも受けることができません。

5. 万が一盗難に合った場合の対処法

様々な対策を行っていても、盗難の可能性を0にするのは難しいことです。
万が一盗難にあってしまった際には、落ち着いて以下のような対処をとりましょう。

5-1. 警察に届出を行う

警察へ届出

盗まれた事が分かったらまず警察へ盗難の届出を行いましょう。

車の登録番号、車体番号、盗まれた状況、車内にあった物等を聞かれますので答えられるようにしましょう。

車検証のコピーを取っておくと原本が盗まれていても車の情報をスムーズに答えられるので、家に一部置いておくようにするといいですね。

最後に発行された盗難届の受理番号は必ず控えておくようにしましょう。

5-2. 車両の一時抹消登録を行う

一時抹消届出

盗難届が受理されたら、次に最寄りの陸運局で一時抹消登録の手続きを行いましょう。

申請手数料はかかりますがこれを行うことで車は一時的に廃車扱いになり、自動車税を支払わなくて済みます。
手続きには印鑑証明、実印、あれば車検証のコピーを持参しましょう。
陸運局の場所は、国土交通省のホームページから調べることができます。

5-3. 保険会社へ連絡する

保険会社へ連絡

最後に加入している保険会社にも連絡をしましょう。

車両保険に加入していると車が盗難された場合も補償の対象となり、保険金が支払われます。
車両保険には一般タイプと補償内容を限定した限定タイプ(保険会社によって呼び方が異なる場合があります)がありますが、多くの保険がどちらのタイプでも盗難は補償対象になっているようです。

ただし、加入内容によっては全額補償されないケースもあるようなので補償内容はよく確かめる必要があります。
また、盗難被害は実態調査に時間がかかるため保険金の支払いが1か月以上先になる場合が大半です。

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6. 盗難は自動車保険で補償される?

盗難被害への対処のステップとして保険会社への連絡をご紹介したように、盗難は、車両保険の「一般タイプ」「限定タイプ」のどちらでも補償がなされ、補償として保険金を受け取ることができます。

保険会社の調査後、補償が認められ、保険金請求書や被害状況が見られる書類などを保険会社に提出することで、保険金を受け取ることができます。
基本的には、盗難は「全損」として扱われるため免責は適用されず、自己負担は発生しないことが多いでしょう。

加入している車両保険や付帯している特約によっては、全額の補償が受けられない場合や、反対に車内にあり、盗難により損害が生じた身の回り品の損害額を補償できる特約などもあるため、加入する保険の補償内容・特約はしっかりと確認し、適切なものを選べると良いですね。

より適切な車両保険へと見直しをしたいが、様々な保険・特約があって難しい......という方は、プロに相談してみるのもおすすめです。


リンク:企業を守る保険代理店|キムラユニティー株式会社

7. 盗難など社用車のリスク管理はシステム導入がおすすめ

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盗難や事故など、社用車の所有・運用には、様々なリスクがあります。
適切にすべての社用車の管理を行い、社用車運用によるリスクを軽減するには、点検の徹底や運転記録の整備、安全運転教育、盗難への対策といった社用車管理に力を入れる必要があるでしょう。

しかし、社用車管理の徹底には、管理を担う安全運転管理者などの負担が大きいことが課題となります。
社用車管理をより効率的に、負担を減らしながら行うためには、車両管理システムの導入がおすすめです。

車両管理システムでは、以下のような様々なサービスが提供されています。

  • 企業の持つ車両の一元管理
  • アルコールチェック連携・点呼
  • 事故情報の管理
  • 事故など緊急時の通知
  • 車両コストの最適化のための比較
  • 運転日報の入力

活用することで、車両管理・安全確認をデジタル化し、効率的かつ、より安全な運行が可能になるでしょう。

車両管理をアウトソーシングできるサービスなどもありますので、ぜひ合わせて検討してみてくださいね。


関連記事:社用車管理とは?その重要性・目的や法律上の義務などを徹底解説 - くるまが
     車両管理システムとは?導入のメリットや機能、システムの選び方まで解説 - くるまが


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まとめ

今回は社用車の盗難について、その巧妙化する手口や企業が負う責任などからそのリスクを知った上で、日頃から行っておくべき対策について詳しくご紹介しました。

盗難など、社用車に生じるリスクの軽減のためには、社用車や運転者の管理も重要です。

車両管理システムなどで効率化を図りながら、適切な社用車の管理・運用を行っていきましょう。

キムラユニティーの車両管理システムKIBACO

キムラユニティー くるまが編集室

キムラユニティー (株)
くるまが編集室

キムラユニティー・モビリティサービス「くるまが編集室」です。
車両管理・社用車管理・安全運転・カーライフに関する情報を、わかりやすく発信しています。1958年から培ってきたモビリティサービスのノウハウを活かし、法人向け車両管理BPOやコスト削減、安全管理支援など幅広いサービスを展開。現場で培った実践的な知見をもとに、企業の車両運用や日常のカーライフに役立つ情報をお届けします。