新入社員すぐに運転しても大丈夫?

 4月に新入社員を迎え、新人研修も佳境に入ってきた頃かと思います。社有車を使用する企業様では新入社員にすぐに業務で運転をさせても問題ないかと心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。近年ではペーパードライバーで入社されるケースも多く、万が一事故を起こしてしまった場合、内容次第ではSNSやメディア等で拡散され会社全体の社会的イメージの低下に繋がる損害を被るリスクも否定できません。今回のコラムでは、このような時代背景を鑑み新入社員への安全運転指導のポイントをご案内いたします。

新入社員が事故を起こす要因とは

 事故の背景には様々な要因があります。警察庁が公表しているデータ「交通事故の発生状況」を見ると、24歳までの若年ドライバーが起こした交通事故は他の年齢層よりも安全運転義務違反が多いことが読み取れます。交通事故発生原因を法令違反別に見てみると、「安全不確認」「脇見運転」といった項目が上位に見られます。これらのデータから、若年層の事故発生要因の多くは、「どこに危険が潜んでいるか把握できていないこと」にあると考えられるでしょう。

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 つまり、「危険予知能力」が身についていない傾向にあるのです。同時に、新入社員の多くは社会人としての自覚がまだ不十分な為、軽率な運転や不注意が事故を招いていると推測できます。新入社員には交通安全規則の知識を伝えるだけでなく、企業ドライバーとしての自覚を身に着けてもらうための指導が必要となります。では、これらの点を踏まえると、どのような教育が適切と考えられるのでしょうか。

新入社員の事故を未然に防ぐための指導

 新入社員が運転に慣れるまでは先輩社員や上司が同乗し、具体的に次のような安全運転のポイントを指導しましょう。

ポイント1:安全確認すべき対象を教える

2102_1_4.jpg 新入社員の危険感受性を高めるために、さまざまな交通場面で自らが経験したヒヤリハット事例を交えながら教えましょう。たとえば、信号のない交差点等で「人や自転車、車が交差する道路では急に飛び出してくる可能性がある」と、安全確認すべき対象を具体的に伝えることが効果的です。常に「危険が潜んでいるかもしれない」とその先の危険を予測して運転するように指導しましょう

ポイント2:声を出して安全確認を行わせる

2102_1_5.jpg 声出し確認は、新入社員が安全確認すべき対象をはっきりと意識させる手助けとなります。確認すべき対象を理解しないまま目視だけで確認していると、「何となく確認した」という習慣がついてしまい、見落としが発生する危険性があります。「対向車が来ない」「周囲に人がいない」ことを目で見てしっかりと「対向車よし」「歩行者よし」と声に出して安全確認するように指導しましょう

ポイント3:運転に集中できる環境を作る

2102_1_6.jpgのサムネイル画像 1秒にも満たない脇見が事故に繋がります。当然のことですが改めて「ながら運転」は道路交通法違反になるためナビや携帯電話の操作は車を停めてから操作するよう伝えましょう。運転中に携帯電話が鳴ると、どうしても運転から注意がそれてしまいます。運転中はドライブモード(公共モード)に設定してカバンなどに入れ、またそのカバンは助手席ではなく後席に置くなどして、運転に集中できる環境を作るよう指導しましょう

ポイント4:時間に余裕を持ったスケジュールを立て、早めに出発する

2102_1_7.jpg 運転に不慣れなうえ、時間の余裕がないと必要以上に焦ってしまいます。焦ると危険箇所の見落としやハンドル操作の誤りなどで事故を起こしやすくなります。また、時間に余裕がない状態で運転をするとちょっとした渋滞や信号での停止でイライラしてしまったりして平常心での運転が出来なくなってしまい大変危険です。譲り合って通行することも困難となり事故を引き起こしてしまう可能性が高まります。時間に余裕を持った移動スケジュールを立てて、早めに出発するよう指導しましょう

最後に

 日常業務の中で自動車を利用している場合、常に交通事故のリスクが伴うことを認識し、実際に交通事故が発生した時に適切な対応を取れるように備えておくことや、入社後の交通安全研修などの対策を講じておくことも大切です。新入社員研修を社内・社外のどちらで実施するか悩まれているご担当の方もいらっしゃると思われますが、昨今はオンライン研修の導入が増えており研修の実施方法は現在多様化しています
 弊社においても新入社員および若手社員を対象とした安全運転研修を始め、対面・WEB対応のさまざまな教育セミナーを定期的に開催しております。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

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