早すぎる交換はNG?冬タイヤへの適切な交換時期

 スタッドレスタイヤは降雪地方に限らず、車を乗る人にとって冬場の必須アイテムとなっています。しかし「冬にはスタッドレスタイヤに交換する」ということは知っていても、具体的にいつが適切な交換時期なのか分からないという方は多いのではないでしょうか。今回は夏用タイヤと冬用タイヤ、それぞれのタイヤが持つ役割と冬タイヤへ交換する適切な時期についてご紹介いたします。

夏タイヤ・冬タイヤの特徴

サマータイヤ(夏タイヤ)の特徴

2210_1_1.png サマータイヤとは一般的な車に標準搭載されているタイヤのことで、ノーマルタイヤとも呼ばれます。もちろん「夏にしか使えないタイヤ」というわけではなく、雪道や凍結した路面を走行する際に使うスノータイヤ(冬タイヤ)の反義語としてこの名前が定着しました。

 サマータイヤは熱に強く、濡れた路面での排水性能に優れているという特徴がある一方で、雪が積もっている道や凍結した路面では性能を発揮することができず、スリップの原因となることもあるため凍結や積雪の可能性がある冬の時期には、安全のため冬タイヤへ交換する必要があります。

スタッドレスタイヤ(冬タイヤ)の特徴

2210_1_2.png スタッドレスタイヤ(冬タイヤ)は低温に強いゴムを使用し、溝を特殊な形状にすることで凍結した路面や雪道でもグリップ力を発揮できるという特徴があります。「スリップしにくいタイヤならずっと冬タイヤでもいいのでは?」と思う方がいるかもしれませんが、冬用タイヤは夏用タイヤと比べ「車体の揺れが大きい」や「燃費性能が不利になる」というデメリットがあります。また排水性能が極端に低いので、雨の日や濡れた路面に弱いデメリットもあるため、春頃にはサマータイヤへ履き替えることが適切と言えます。

スタッドレスタイヤへの早期交換について

 「余裕を持って作業店が混み合う前に交換したい」という方もいらっしゃるかと思いますが冬タイヤへの早すぎる交換は要注意です。近年は秋口になっても30度超えの夏日が続いています。夏日には道路の表面温度が60度以上と高温になるため、秋になったからといってまだ寒くなる前に早々にスタッドレスタイヤに履き替えてしまい、熱に弱いスタッドレスタイヤで走行すると著しいゴムの摩耗を招き、ゴムが溶けやすくなるので注意が必要です。また、経済面においても早すぎるスタッドレスタイヤへの交換はおすすめできません。スタッドレスタイヤでの走行は路面との接触面積が大きくなるため負荷がかかり燃費を悪くするためです。
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 しかし遅すぎる交換も注意が必要です。「スタッドレスタイヤ」と聞くと雪道を想像する方が多いかもしれませんがたとえ雪が降っていなくても路面は凍結し、滑りやすい状態となるため適切な時期に冬タイヤへ交換しましょう

適切な交換時期

 では適切な交換時期とは一体いつなのでしょうか?「いつ交換するのが適切か分からず結局雪が降るまでそのままにしてしまっている」という方もいらっしゃるかと思います。そんな方のためにノーマルタイヤからスタッドレスタイヤへの交換目安をご紹介します。

気温7度を下回る前に交換する

2210_1_4.png 地域によって雪が降ったり、路面が凍結したりする時期に差があるため、スタッドレスタイヤへの適切な交換時期も場所によって異なります。そのためスタッドレスタイヤへの交換はお住まいの地域の気温を目安にすると分かりやすいでしょう。サマータイヤは低温で硬くなりグリップ力を失いやすいという特徴があるため、雪が積もっていなかったとしても気温が7度を下回る前にはスタッドレスタイヤへ履き替えるようにしてください。

初雪の1ヶ月前を目安にする

2210_1_5.png サマータイヤでの雪道の走行は非常に危険です。雪が降る地域であれば初雪の1ヶ月前にはタイヤの履きかえを行っておいた方が良いでしょう。初雪予報はインターネットで確認することができますので、お住まいの地域の情報をチェックし交換タイミングの目安にしてください。

まとめ

 スタッドレスタイヤは場所によっては装着していない車は走行できないこともあるので車の冬支度に欠かせないものとなっています。路面の凍結や積雪の可能性がある冬にはスタッドレスタイヤ。そしてそれ以外のシーズンは夏タイヤへ履き替える必要があります。今回の記事では夏タイヤと冬タイヤ、それぞれの特徴と冬タイヤへの交換時期のポイントをご紹介しました。適切な時期にタイヤ交換を計画し、快適で安全な走行ができるよう心掛けましょう