新サービス「ETCX」をご存知ですか?

 約20年前に登場したETCの利用率は現在では90%を超え、車社会に広く浸透しています。ところで皆さんは新しいサービス「ETCX」をご存知ですか?まだまだ従来のETCよりも普及率が低く、駆け出しですが、日本の車社会がより便利になる可能性がある注目のサービスです。そこで今回は、ETCXとは何か、従来のETCとの違いなどについてお話したいと思います。

ETCXとは

 ETCXとは、2020年に設立されたETCソリューションズ株式会社が提供するETCを利用した新しいキャッシュレス決済サービスです。これまでのETCでは有料道路通行料の決済のみ可能ですが、ETCXでは有料道路の通行料以外にガソリンスタンドや駐車場、ファストフード店などでもドライバーがハンドルから手を放すことなく決済することが可能となります。

2211_1.jpg
 ETCXを利用するには、新たに会員登録が必要になります。高速道路とは異なる新たなシステムで運用するサービスのため、既存のETC利用とは別に登録が必要です。登録料や年会費などはかからず、ETCカードや車載器は現在使っているものがそのまま利用できるので、現在ETCを利用している方であれば登録さえすればすぐに利用できます

従来のETCとの違いは?

1:安価なシステム

2211_1_2.jpg 現在のETCでは有料道路の各ゲートにETC認証に必要な全データとシステムを持つため、その場で瞬時に認証ができます。また、走行しながら認証できるように高性能のアンテナを装備しているため、導入コストが高いという課題がありました。そのため、利用者の少ない地方の有料道路ではETCの導入は難しいとされてきました。
 ETCXでは、認証処理などを全てクラウド上で行う「ネットワーク型ETC」として展開するため、必要システムは最小限で済みます。通常のETCよりも認証に多少時間がかかりますが、導入コストを抑えることに成功しました。また、通信用アンテナも一時停止を前提とすることで安価なものを開発したため、これまでETCの導入が難しいとされてきた道路でも比較的導入がしやすくなりました

2:ノンストップでは利用できない

2211_1_3.jpg 従来のETCとの大きな違いは、高速道路のスマートIC利用時と同様に一旦停止が必要な事です。ETCXでは「決済時に一時停止する」ことでシステムを簡易化して低コストで利用できるよう設計されています。そのため従来のETCとは異なり、決済時には必ず一旦停止し、決済されたことを確認後に再始動する必要があります。

料金所における「一時停止問題」

 従来のETCとの違いに「一旦停止が必要になる」ことをお話しましたが、これがETCX普及への最大の課題になっています。料金所をノンストップで通過できる現在の有料道路と異なり、ETCXでは必ず一旦停止が必要となります。ETCXで料金所を通過しながら料金決済することはできないため、今後ETCXを利用促進するためには、専用の料金所設備が必要になることが考えられます。「料金所をノンストップで通過できる」という従来のETCのメリットとの間に生じたギャップをどう解決していくかがETCX普及のポイントになると言えるでしょう。
 また、現在ETCXを利用できるのは、伊豆中央道の江間料金所と修善寺道路の修善寺料金所、大仁料金所など、全国で6か所のみと導入が伸び悩んでいるのが現状です。今後は現状のETCより低コストで導入できるよう設計されているETCXの利点を生かし、現金でしか料金が支払えない都道府県などの道路公社が管理している有料道路での導入に期待したいものです。
現在の対応店舗・施設はこちらからご確認ください。

最後に

 ETCが登場したことによって、高速道路利用を取り巻く環境は大きく変化しました。高速道路を利用するほとんどの車がETCを利用している現状からすれば、追加費用なしで導入できるETCXの普及の余地は十分にあるように感じます。ETCソリューションズ株式会社では、2024年までにETCX対応施設・店舗を100か所まで増やし、将来的には全国10,000か所での利用を目指すとのことです。駐車場、カーフェリー、ドライブスルーでの試行運用も実施されているため、今後の動向に注目していきましょう。