自転車との事故を起こさないためには

皆さんは「交差点から急に自転車が飛び出して焦った」「夜間、目の前に迫るまで自転車に気づかずヒヤッとした」経験はありませんか。自転車との事故防止には、自転車の持つ危険性を認識し、事故を起こさない・事故に巻き込まれない運転に徹することが必要です。 そこで今回は自転車の危険性と事故を回避する運転についてお話したいと思います。

自転車特有の危険

自転車は車と異なった危険性を持った乗り物です。ここでその特性を理解しておきましょう。

1:ふらつきやすく転倒しやすい

2010_1_1.jpg 自転車は発進時にふらついたり、少しの段差や路面の凹凸でもバランスを崩し転倒する可能性があります。すぐそばをトラックなどの大きな車が通ったり、強風が吹いている日は風でよろめいたり、車に吸い込まれそうになる事さえあります。

2:視野が狭い

2010_1_2.jpg 自転車に乗ると姿勢が前へ傾くことから、視線が路面に向きがちになります。このため後方や左右の状況が掴みづらくなり、後ろからやってくる車両に気づかないまま急に進路変更をしてくる場合があります

3:車から見落とされやすい

2010_1_3.jpg 自転車は車体が小さいため、ドライバーからは発見しにくく見落とされやすいです。また、自転車に気づいても小さく見えるため、「自転車はまだ遠くにいる」と思い込みがちです。一方で自転車に乗っている人は「車は自分に気づいて道を譲ってくれる」と考えがちです。

4:歩行者と同じと考えて乗っている人が多い

2010_1_4.jpg 年齢に関係なく乗れる自転車は車両であるという認識が薄く、歩行者と同じように行動してしまう人が多いようです。また、機敏に操作できることから、一時停止無視、安全確認不十分、右側通行、信号無視といった法令違反も多く見られます

事故が起こりやすい状況は?

自転車との事故が起こりやすい状況にはどんな場合があるのでしょうか。

 2015年中に四輪車と自転車の事故内容を見ると、出会い頭が55%と最も多く、右左折を含めると交差点での事故が85%を占めています。茨城県のつくば地区周辺で過去に発生した四輪車と自転車の出会い頭事故(200件)が起きた時の、それぞれの通行帯別の構成割合を見てみましょう。四輪車は車線による通行区分がない「区分なし」が最も多く「片側1車線」が続きます。その時自転車は「車道」を走っていました。信号機や標識が整備されていない住宅街の交差点や道路の幅が狭く見通しが悪い交差点などで事故が起きている様子がうかがえます。

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 また、四輪車と自転車の死傷事故1,000件当たりの死亡事故発生件数(2012年~2016年)を事故類型別に見ると、追突事故が最も多く、出会い頭事故や右左折時の件数に比べ約8倍も高く発生しています。自転車側は後方から迫る危険に気付かずに回避行動を取れず追突され死亡事故に至っていると考えられます。
さらに昼夜別に死亡事故の事故類型を比べると、追突が占める割合は昼間が30%で夜間が62%と昼間に比べ夜間は約2倍も高くなります。視認性が悪くなる夜間の走行は四輪車が追突する直前まで自転車に気づかず、減速しないまま追突して死亡事故に至っていると考えられます。

自転車との事故を回避するためには

 ここまで自転車が持つ危険の特徴と事故が起こりやすい状況をお伝えしましたが、自転車との事故を回避するためは私たちドライバーも運転する際に注意する必要があります
 以下に挙げた3つのポイントを実践して、自転車との事故を回避しましょう。

1:自転車の動きに注意する

2010_1_6.jpg 自転車を見かけた場合は進路変更してくる可能性を常に意識し、動静をよく注視しましょう。特に信号のない見通しの悪い交差点では、一時停止の標識がなくても左右から自転車が飛び出してくることを想定して交差点手前で一旦停止、さらに交差する道路を確認できるところでもう一度停止する「二段階停止」を行い、ゆっくり通過しましょう。
 また、自転車は「ながらスマホ」などの交通ルールを無視した運転も多いため、交通ルールを守るとは限らないと予測し、必要に応じて徐行・停止して充分に安全確認することも大切です。

2:横を通る時は充分間隔を取る

2010_1_7.jpg 自転車の横を通過する時は減速して間隔を充分に取って危険を回避しましょう。急な飛び出しはもちろん、自転車はバランスを崩しやすい乗り物のため突然のふらつきや転倒にも備えが大切です。状況によっては停止して先に自転車を通行させるという選択もよいでしょう。

3:早めのライト点灯

早めのライト点灯 夕方から夜間にかけては視認性が悪いため、自転車だけでなく歩行者なども発見しにくくなります。中にはライトを付けずに運転している「無灯火運転」をしている場合も少なくはないため、薄暗くなったら早めにヘッドライトを付けていち早く自転車を発見し、危険を回避できるようにしましょう。

最後に

 自転車には乗員を守る車体もシートベルトもないため、車が低速であったとしても衝突すれば自転車の乗員は投げ出され、打ち所が悪ければ致命的な事故になる危険性があります。業務中に自転車と事故を起こしその相手が亡くなった場合には、事故を起こした本人だけでなく会社としても責任を問われる場合もあります。そういった事にならないよう、ドライバー一人一人が「自分は会社の看板を背負って運転している」という意識を持ち、十分に注意して運転するように心がけましょう。そのためには車両管理者は運転手たちへの意識付けを働き掛けていくことが大切です