3割を占める「出会い頭事故」の対策とは?

 12月も終わりこれからますます寒くなっていく時期。日照時間も短く、視界が悪い時間帯が増え、特に事故が起こりやすくなることでしょう。
 また視界が悪い事も影響としてある「出会い頭の事故」は事故全体の約3割と言われております。今回はこの「出会い頭の事故」について詳しく解説し、約3割の事故を削減できる解決法をご紹介します。

出会い頭の事故って?

出会い頭事故 まず初めに出合い頭とは、異なった方向から進入してきた車両が交差する時に衝突する事故のことです。見通しが悪く信号のない交差点で発生する事故が大半を占めており、双方の運転手、もしくはどちらかの安全確認不足のまま交差点に進入してしまい事故が起きてしまいます。

出会い頭の事故には必ず相手がおり、衝突対象は自動車だけではなく、自転車、歩行者の場合もあり、最も多いのは自転車との衝突です。

出会い頭の事故が起きる運転手による要因は、下記の人的要因が大部分を占めています。

出会い頭-運転要因

 一方では、人的要因以外にも、「見通しが悪かったので相手の発見が遅れた」など道路環境要因も事故の要因となるものも中には含まれております。また「見通しの悪い交差点」には、ほとんどが一時停止の道路標識もしくは標示があり、停止線があります。こういったものは意外と見落としがちになるので、運転する際は十分注意が必要となります。

出会い頭の事故を防ぐには?

「停止線があった場合、皆さんはその手前でしっかりと停止していますか?」

 この問いに対し、皆さんは手を挙げるのではないでしょうか。
 しかし実際の運転では約9割が停止線を認識していてもその手前で停止していないのです。頭の中では止まっていると思っていても、実際に運転をしていると「停止線の手前で止まっても交差点の周囲が見えないので前に出て確認しよう」という気持ちになっているのだと思います。
 ただ、衝突対象で最も多いのが自転車です。「見通しの悪い交差点だから少し前に出てから止まって周囲を確認しよう・・・この気持ちで交差点へ進入し、停止線を過ぎてしまうと歩道を走行している自転車が飛び出てくる可能性があり、ヒヤッとすることとなります。実際にこういった状況での衝突が多いのです。

 このような状況では、停止線の手前でしっかり止まり、その後見通しの良い場面でさらに止まる、「二段階停止」が重要な行動となります。まず停止線の手前で止まることで、自転車やバイク、歩行者を安全にやりすごすことができ、相手にも気づいてもらうことができます。ここでは運転席からはまだ視野は確保できませんが、車頭を少しずつ見せながら徐行することで、自転車や歩行者側からは自分の車が見えるようになります。そのように自車を見せながら徐々に進行していくことで、相手もぶつかる前に気付いて止まることができ、一時停止を行うことで周囲を確認できます。見通しの良い状態でさらに停止・確認を行い、周囲の安全を確認してから走行すればよいのです。

2段階停止

「2度も停止を?2度目は徐行でよいのではないか」という考えもあるかと思います。しかし、徐行の場合と一時停止した場合では確認できる情報量が2倍程多く得られるのです。
出会い頭での事故を無くすためにはまず、「二段階停止」を徹底する事が大切な行動となります。
見通しの悪い交差点では、次の5つを実行しましょう。

1.道路標識、標示を確認し、交差道路には車、自転車、人がいるかもしれないと想定する
2.停止線の手前でしっかりと自車を停止させ、まずはその場で周囲確認をする
3.自車がいることを知らせるため、周囲を確認しながら「じわじわ」と前方へ進む
4.自分の目で周囲の確認ができる位置に再度停止し、周囲の確認を行う
5.周囲の安全が確認出来たのち、発進する。

最後に

 最近では、安全装置や自動ブレーキなどの普及が進み、人的要因によって起こる事故も防げるような世の中へと変化してきております。ですが、まだ完全に自動化となるのは先の話となることでしょう。ですから事故を減らすためには運転意識を変える必要がまだまだあります。慣れない行動かとは思いますが、「二段階停止」を皆が習慣化することで約3割の事故を減らすことができるのではないでしょうか。日頃から安全意識を高めることが後々個人として、企業として良い方向へと進んでいく第一歩となるのです。
「安全運転へ意識改革をする」「防げる事故は自ら(未然に)防ぐ」ことを忘れなければ、より一層、安全運転を続けていけるのではないでしょうか。