冬の運転の注意点

12月も終わりが近づき、冷え込みの厳しい日が続いています。冬の道を運転する時には、普段よりも注意しなければなりません。そこで今回は冬の運転の注意点と対策などをご紹介いたします。

冬の運転で起こるトラブル

冬の運転時に起こりやすいトラブルの中から、代表的なものを3つ紹介します。

1:スリップ

2112_1_1.jpg 雪道や凍結路でタイヤが滑る現象です。自分だけでなく、周囲の車を巻き込んで大事故につながりかねません。特にカーブ、交差点、橋の上、坂道、トンネル付近は滑りやすいポイントになります。

2:脱輪

2112_1_2.png 雪が積もって路肩の段差や溝が見えなくなることで起こりやすいトラブルです。普段走り慣れた道でも、積雪の量によってはいつもと景色が変わって見える場合もあるので、注意が必要です。

3:バッテリー上がり

2112_1_3.png 冬はバッテリー上がりが起こりやすくなります。バッテリーは寒さに弱く、エアコンやライトなどの電気消費が増える事が主な理由です。エンジンがかかりにくくなったり、ライトが暗くなるといった現象は、バッテリーの寿命が近づいているサインとも言われています。

 この他にも窓ガラスの曇りや路肩に積まれた雪による視界悪化、タイヤが空回りするスタックなど、積雪や凍結によって引き起こされるトラブルは多くあります。

冬にやるべき装備・対策

 冬の運転でトラブルに巻き込まれないようにするためには、事前の準備や対策が欠かせません。そこで基本的なものをいくつかご紹介します。

1:スタッドレスタイヤを装着する

2112_1_4.jpg スタッドレスタイヤは、車の冬支度の基本です。ノーマルタイヤからの交換前には必ず溝が浅くなっていたり、ゴムが固くなっていたりひび割れしていないかを確かめてから交換しましょう。これらはタイヤ新調のサインです。
 また、同時にチェーンの装備もお願いします。降雪が多い地域を走行する場合にはスタッドレスを装着していてもチェーンがないと走行できない場所もあります。走行ルート上にそのような区間がないか、事前に確認しておくようにしましょう。

2:バッテリー・エンジンオイルの確認

2112_1_5.jpg 冬は暖房使用や減速しての運転が増えるので、バッテリーが十分に充電されない可能性があります。バッテリーの点検を行い、寿命が近い場合は交換するようにしましょう。また、エンジンオイルが劣化しているとエンジンがかかりにくくなり、バッテリーへの負担が大きくなってしまいます。冬場はエンジンオイルが冷えてエンジンがかかりにくいので、粘度の低いオイルの使用がオススメです。

3:運転前には必ず除雪を

2112_1_6.jpg 走行前には必ず車に積もった雪の除去をお願いします。窓についている雪はもちろん、屋根に積もった雪も必ず落としましょう。ブレーキをかけたり下り坂を走行すると、屋根の雪がフロントガラスに落ちて視界を遮る恐れがあるからです。また、雪が走行中に道路へ落ちると周囲を走っている他の車の迷惑や事故の原因になる場合があるので、十分に除雪をお願いします。

4:トラブルに備えた装備を積載する

2112_1_7.jpg いつもよりトラブルが起きやすい雪道運転では、いざという時の装備も忘れずに積んでおきましょう。スタックに備えた牽引ロープ、エンジンを切った車内で長時間過ごす場合の毛布、除雪用のスコップ、長靴、手袋があると便利です。

運転する時に注意するポイント

 それでは実際に運転する場合にはいったいどんなことに注意する必要があるのでしょうか。ここでは運転時に注意したい基本的なポイントをお教えします。

1:『急』のつく動作をしない

2112_1_8.jpg 雪道や凍結路は、普段の乾燥した路面に比べて何倍も滑りやすくなっています。急発進・急ハンドル・急ブレーキといった、「急」のつく運転動作は、スリップの原因になるので厳禁です。クリープ現象やセカンドギアなどでゆっくり発進し、カーブ・交差点・車線変更などのハンドル操作が必要になる箇所では慎重に操作します。減速する場合もブレーキを一気に踏み込まず、じわっと踏みます。ポンピングブレーキやエンジンブレーキを活用しましょう。

2:先行車との車間距離は広めにとる

2112_1_9.jpg 積雪や凍結で冬の路面は滑りやすくなっています。そのため、ブレーキのきき始めから停止するまでの制動距離が長くなる傾向があります。前の車が突然止まった場合でも安心して対応できるよう、車間距離は広めにとっておきましょう。

3:余裕を持ったスケジュールを

2112_1_10.jpg 雪道では普段よりスピードを抑えて走行しなければなりません。そして降雪状況によっては、道路の通行止めや迂回を指示され、いつもと同じ時間では到着できない場合もあります。そして時間に間に合わないからと焦って運転すると急ブレーキや急ハンドルといった急が付く動作を行いがちです。走行時間を多めに見積もって、余裕のある運転スケジュールを計画しましょう。また、走行ルートは車通りのある幹線道路を中心に設定するようにしましょう。

4:給油はこまめに

2112_1_11.png 雪道では普段より低いギアを使いゆっくり走行するため、どうしても燃費が落ちます。途中でガソリンがなくならないよう、早めに給油を行うようにしましょう

最後に

 ここまで冬の運転の注意点についてお話ししましたが、自分の運転技術や車の性能を過信しすぎるのは禁物です。どんなに高性能な車に乗っていたとしても、慎重な運転を心がけるようにしましょう。また、冬の路面は同じ道でも朝・昼・夕方と1日のうちでも時間や天気によって状況が変化します。天気予報でこまめに情報を得ると同時に、目の前の路面状況を把握しながら運転しましょう。
 そして吹雪など運転できないほど悪天候の場合は、「運転しない」という選択も忘れないでください。普段とは異なった環境だからこそ、より一層安全運転でお願いします。