セルフ給油に関する豆知識

 セルフスタンドでの給油をされている方も多いかと思いますが、皆さんは正しく給油できているでしょうか。自分ではきちんとできていると思っていても、知らないセルフ給油の禁止事項があるのを知っていますか?そこで今回は、セルフ給油に関する注意点と正しい給油方法についてお話したいと思います。

給油中の火災発生状況

2011_1_1.jpg 消防庁危険物保安室の資料によると、平成29年の給油取扱所1万施設あたりの給油中における火災発生割合は、セルフスタンド4.1件、フルサービスのスタンドが2.2件となっています。平成18年のデータでは、セルフスタンドは12.3件発生していたので減少傾向にはありますが、フルサービスのスタンドに比べると倍近くの発生件数となっています。ガソリンは危険物に指定されています。一歩間違えば大きな火災にも繋がる可能性もある為、取り扱いには十分注意したいものです。

知っていますか?セルフ給油の禁止事項

 セルフ給油時には絶対に行ってはいけない禁止事項があるのを知っていますか?取扱いに注意するためにも、禁止事項をここではご紹介します。

1:満タン自動停止後の追加給油

 セルフスタンドの給油機は、満タンになると自動的に給油が止まる「オートストップ機構」が付いています。ガソリンが満タンになってノズルの先端まで油面が上がると、ノズル内面のセンサーが検知して給油を自動で停止します。
2011_1_3.jpg 「オートストップで給油が止まった後もまだ入る余地がある」と思われている方がいるかもしれませんが、温度が10℃上がると容積が1.2倍になると言われているガソリンの熱による膨張も考え、タンク上部の10%は空気の層になるよう設計されています。ですから必要以上に給油しようとすると、ガソリンが給油口の外へはね出したり、漏えいする恐れがあります。ガソリン計量器大手メーカーのタツノによると、「オートストップ=満タン」であり、各計量機が誤差の範囲は0.5%以内と計量法で定められているので、正確で信頼できるそうです。

2:少量給油

 給油ノズルのレバーを少ししか引かずに少ない流量で給油すると、給油が自動停止しない場合があります。ガソリン吹きこぼれの原因になるので、レバーは必ず引けるところまで確実に引きましょう

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この他にもガソリンスタンドに記載されている禁止事項は行わないようにしましょう。

セルフスタンドでの正しい給油方法

 ガソリンは静電気でも引火するため、扱い方を誤ると大きな事故に繋がる可能性があります。セルフ給油をより安全に行うために、ここでは正しい給油方法をおさらいしましょう。

セルフ給油の主な流れ

給油オーダー機の画面と音声に従って支払い方法、油種・給油量を指定する

 ●店舗によっては店内で支払いする場合もあります

静電気除去シートに触れて静電気を除去する
給油口を開けて、油種を充分に確認してから給油ノズルを持つ

 ●ノズルを奥に止まるまで確実に差し込みましょう

給油機のメーターが0になりノズルがしっかり入った事を確認してから、
レバーを引いて給油を始める

 ●この時レバーはしっかりと握っておく

自動的に止まったらレバーから指をはずし、ノズルを元の位置へ戻す

 ●停止したらそれ以上給油はしない

給油口キャップをしっかり閉め、カバーを閉じたら完了

 簡単な流れは上の通りですが、実際の給油機の写真やイラストを交えた給油方法は各ガソリンスタンドブランドのホームページで詳しく紹介されています。不安な場合は給油する予定のブランドサイトへアクセスしておくといいでしょう。
 もし給油にあたり不明な点や異常があった場合は、セルフスタンドに常駐しているスタッフへ相談しましょう。

最後に

 フルサービスのガソリンスタンドが見つからず、やむを得ずセルフスタンドへ入らなくてはならない場合もあるかと思います。不慣れな方は始め戸惑うかもしれませんが、給油方法はさほど難しくないものです。窓の拭き上げなどまで行うフルサービスのスタンドとは異なり、短時間で給油のみ行えるセルフスタンドは時間を効率的に使う事ができるとも言えます。店舗には必ずスタッフがいるので、アドバイスを受けることも可能です。これを機会にセルフ給油に挑戦してみてはいかがでしょうか。