夕暮れ時の運転にはご注意!

 内閣府より2020年の秋の全国交通安全運動の推進要綱が発表されました。今回の運動の実施期間は、9月21日(月)~30日(水)の10日間で、運動期間最終日の9月30日は「交通事故死ゼロを目指す日」となっています。
 秋口になると日没時間が急激に早まるとともに例年夕暮れ時や夜間には重大事故につながるおそれのある交通事故が多発しています。そして歩行中・自転車乗用中の死亡事故が増加しており、後部座席のシートベルト着用率やチャイルドシートの使用率がいまだ低調であること、さらに重大事故の原因となる飲酒運転による悲惨な交通事故が依然として後をたたないことから以下3点を全国重点として掲げています。

① 子供を始めとする歩行者の安全と自転車の安全利用の確保
② 高齢運転者等の安全運転の励行
③ 夕暮れ時と夜間の交通事故防止と飲酒運転等の危険運転の防止

 今回は秋の交通安全運動の全国重点の一つである「夕暮れ時の交通事故防止」にスポットライトを当て、夕暮れ時の運転が危険となる原因、そして運転の際の気を付けるべきポイントをご紹介したいと思います。

なぜ夕暮れ時の事故が多いの?

 警視庁が発表した統計によると、17時台から19時台の時間帯に交通死亡事故が最も多く発生しています。なぜこの時間帯に重大な事故が多く起こるのでしょうか。

理由① 路上の視認性の低下

2008_2_1.jpg 第一の理由は車内から路上の様子が見えづらくなることにあります。夕暮れ時は空が明るく、路面付近が暗くなります。人の目はどうしても明るい部分を主に見てしまうので、路上にいる人やクルマが視界に入りにくくなります。その結果、歩行者の横断や自転車の存在などに気付くのが遅くなってしまうのです。

理由② 交通量の多さ

2008_2_2.jpg 17時台から19時台の時間帯は帰宅ラッシュでクルマも歩行者も多い、というのも原因のひとつです。路上を行き交うクルマや歩行者、自転車の数がピークに達するため、必然的に事故が起こりやすくなります

理由③ 疲れ

2008_2_3.jpg 疲れも理由として挙げられます。夕方は朝と違って1日の疲れがたまり、集中力も低下しています。1日の疲れがたまったドライバーは集中力が散漫になったり、運転姿勢が乱れがちになるため、当然事故を起こしやすくなります

夕暮れ時の事故を防ぐにはどうすればいいの?

 ではこのような危険が潜む夕暮れ時、どのような事故防止対策があるのでしょうか。

対策①早めのヘッドライトの点灯

2008_2_4.jpg 西日がまぶしい時間帯は周りが見えにくい状態になっています。ドライバー本人は「まだ明るいな」と思っていても実際には薄暗く、自車の存在が気づかれにくい場合があるため、日没30分前には点灯をすることをおすすめします。ライトの早期点灯は自分の視界の確保だけでなく自車の存在をアピールし、歩行者や自転車に注意を促す効果もあります。

対策②意識的に速度を落として走行

2008_2_5.jpg 夕暮れ時は路上が見にくくなっているため、どんなに注意をして運転をしていても歩行者・自転車の発見は昼間よりも遅れてしまいます。従って、歩行者や自転車が出てきそうな交差点や横断歩道などの手前では意識してスピードを落として走行してください。

対策③その他ちょっとした心がけ

2008_2_6.jpg 眩しい西日を遮るため、サンバイザーやサングラスを利用することも有効です。また、疲れがたまると運転時の姿勢も悪くなりがちです。ミラーの位置を合わせ、背筋を伸ばしてシートに深く座ることを意識し、広い視野をもって運転ができるよう姿勢を正してください

まとめ

 ライトの早期点灯、意識的な減速、サンバイザーやサングラスの利用、そして正しい姿勢での運転。こういったちょっとした心がけが重大な事故を防ぐ重要なカギとなります。日没時刻が早まるこれからの時期、みなさんで意識を高めて交通事故を減らしていきましょう