運転中に地震発生!あなたはどうしますか?

 先月甚大な被害をもたらした台風を始め、地震、火山噴火、土砂災害、大雪など、日本は自然災害の多い国だと言われています。中でも地震は世界の中でも多く、2014年版の防災白書によると全世界で起こったマグニチュード6以上の地震の18.5%が日本で発生しています
 もし運転中に地震が起きた時、皆さんは適切な行動が取れるでしょうか?そこで今回は地震発生時の対処と、車両管理の観点で出来る事についてお話したいと思います。

運転中に起きた場合の対処法

 運転中に揺れを感じたら、次のように行動しましょう。

1:道路の左側に車を停める

車を停車させる ハザードランプを点滅させ、周囲や歩行者の状況を確認しながら道路の左側へ車を寄せて停車します。慌てて急ブレーキをかけると後ろから追突される可能性があるので、ゆっくりと減速して停まりましょう

2:揺れが収まるまで車内で待機

車内で待機 慌てて外に出ると危険な場合があります。まずは揺れがおさまるまで車外へ出ず、そのまま車内で待機します。この間に携帯電話のワンセグ放送やカーラジオなどで地震情報や交通情報などを確認して情報収集をしましょう

3:車を駐車したまま避難

車から離れる 地震が発生して車で避難する場合、車の渋滞や道路上の障害物、信号機の作動停止といった障害によりスムーズに避難できないため、地震発生時に車で移動をするのは大変危険です。 そのため、津波から逃げる、避難する場所が近くにない等特別な場合を除き、原則として車を安全な場所に停めて避難するようにしましょう。

災害時のリスク管理をお忘れなく!

災害時規定の見直し 地震発生時の防災マニュアルがあるように、「運転中に地震が発生した時、何をしなくてはならないのか」を社内でルール化しておくと、運転手も行動がしやすいはずです。そこで車両管理をされている方は、車両管理規定の作成・見直しの検討がお勧めです

 事故や故障などが起きた場合の対応の中に災害時の対処方法等を定めておけば、実際災害が発生した時にもスムーズな対処が可能になります。作成した後は運転手への周知、さらに定めた対処法を記載したものを車載するようにすると良いでしょう。
 また、一定台数以上の自動車を使用する事業所において選任される安全運転管理者には、災害発生時に運転手の安全を守るための行動が求められます。安全運転管理者の役割にある「異常気象時の安全運転の確保」には「異常気象や天災により、安全な運転ができないと認められるときは、運転者に対する必要な指示をするとともに、安全運転を確保するための措置を講ずる」とあります。安全運転管理者の方は、地震が発生した場合も置かれている状況を見極め、適切な措置を取るようにしましょう

車にも備えを!

車用防災グッズ 地震は台風や大雨などと違っていつ来るかを事前予測できないため、走行中突然被害に遭う可能性が高い災害です。そのため事前の備えが重要と言えます。今回お話したような対処ルールの制定はもちろんですが、併せて災害時に使用する「備え」もあると安心です。 最近では数日分の飲料や食料が入った本格的な車載用防災セットも販売されていますが、絆創膏やガーゼなどの救急セットを載せておくだけでも地震などの災害発生時はもちろん交通事故時のケガ人対応にも活用できます。車内スペースや予算に合わせて検討されてみてはいかがでしょうか。

最後に

 運転中の地震対策をまとめようとしても「何をどうしたらいいのか分からない」という方もいるかと思います。そのような場合は「もし自分が車に乗っている時、地震が起きたら何をするべきか」という目線で考えてみてはいかがでしょうか。そして自分だけでなく上司や部下を交えて一緒に考え、御社内での対策を検討しましょう。一人で考えるよりも複数人で考えた方が、思いもよらない観点も見えてきます
そして地震が発生した時に落ち着いて対処できるよう、社内意識を高めておくことも忘れずにお願いします。