車両管理台帳とは?作成の目的や必要な項目、作り方を解説

社用車や営業車など、企業が保有・利用する車両は、日々の業務を支える重要な資産です。しかし、台数が増えるほど管理が煩雑になり、点検漏れや保険の更新忘れといったリスクも高まりやすくなります。

車両を適切に管理するために役立つのが「車両管理台帳」です。車両ごとの基本情報や整備履歴、保険内容などを一元的に管理することで、安全性の確保やコストの最適化につながります。

今回は、車両管理台帳の基本的な概要から、作成目的、必要項目、具体的な作り方まで、実務に役立つポイントを分かりやすく解説します。

1. 車両管理台帳とは?

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車両管理台帳とは、企業が保有・使用する社用車について、車両情報や使用状況、整備履歴、保険加入状況などを一元的に管理するための記録簿です。

営業車や配送車などの運用が日常的に行われる企業にとって、車両の状態や利用実態を把握することは、安全性の確保やトラブル防止の観点から欠かせません。

特に、業務中の交通事故や車検切れ、保険の更新漏れといったリスクは、企業にとって大きな損失につながる可能性があります。

従業員が起こした事故であっても、企業が損害賠償責任を問われるケースもあるため、日頃から車両に関する情報を適切に管理し、リスクを未然に防ぐことが重要です。

いわば、車両管理台帳は車両に関する各種情報を「見える化」し、適切な車両管理を実現するための基盤となるツールと言えるでしょう。

1-1. 車両管理台帳の作成は義務?

車両管理台帳の作成自体は、法律で義務付けられているわけではなく、作成しなかったことによる直接的な罰則もありません。

ただし、民法第715条において、企業には従業員の業務に関する行為について責任を負う「使用者責任」があるほか、運送会社には車両の適切な点検・整備を行う義務も課されています。

そのため、車両管理台帳を整備せず管理が不十分な状態で事故やトラブルが発生した場合、「必要な注意義務を尽くしていなかった」と判断され、企業側の責任が重く問われる可能性があります。

さらに、運送事業者の場合は道路運送車両法により、点検・整備記録の作成および保存が義務付けられています。これらの情報を適切に管理するためには、車両ごとの情報を一元化できる台帳の整備が不可欠です。

加えて、行政による巡回指導や、優良事業所の認定制度である「Gマーク(安全性優良事業所認定)」の取得・維持においても、車両管理体制の整備は重要な評価項目となります。

したがって、車両管理台帳の作成は法的に義務化されているわけではないものの、実務上は車両管理台帳の作成・適切な運用が求められる場面も多く、特に運送事業者においては義務に近い位置付けと言えるでしょう。

2. 車両管理台帳を作成する目的・メリット

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車両管理台帳は、単に情報を記録するためのものではなく、企業の車両運用を安全かつ効率的に行うための基盤となるツールです。

ここでは、車両管理台帳を作成することの主な目的・メリットを3つの観点から解説します。

2-1. リスクマネジメント

車両管理台帳を作成する大きな目的の1つが、リスクマネジメントの強化です。

車両情報や整備履歴、保険の加入状況などを一元管理することで、車検切れや保険未更新、整備不良といったミスを防ぎやすくなります。また、万が一事故が発生した場合でも、車両の状態や管理状況を把握しておくことで、迅速かつ適切な対応が可能です。

企業にとって交通事故は損害賠償だけでなく、社会的信用の低下にも直結するため、日常的な管理体制の整備は欠かせません。車両管理台帳は、企業が抱えやすい事故・法令違反・信用低下に関するリスクを未然に防ぐための有効な手段と言えます。

2-2. 従業員の安全管理

車両管理台帳は、従業員の安全確保にも大きく寄与します。

車検日や法定点検日、整備履歴などを一元的に管理することで、点検漏れや整備不良による事故リスクの低減につながります。企業には従業員の安全や健康を守る責任があり、業務で使用する車両の安全性を維持することはその一環と言えるでしょう。

台帳を活用して車両の状態を常に把握し、適切なタイミングで点検・整備を実施することで、安心して業務に取り組める環境づくりが可能となります。結果として、重大事故の防止や労働災害リスクの軽減にもつながります。

2-3. コスト管理

車両管理台帳の作成は、コスト管理の効率化にもつながります。

社用車の運用には、燃料費や高速代、駐車場代、保険料、整備費用などさまざまなコストが発生しますが、台帳に記録することでこれらを可視化できます。コストの内訳や推移を把握できれば、無駄な支出の見直しや運用の最適化がしやすくなります。

また、適切なタイミングでメンテナンスを実施することで、車両の寿命を延ばし、突発的な修理費用の発生を抑える効果も期待できます。結果として、長期的なコスト削減と安定した車両運用の実現につながります。

3. 車両管理台帳に必要な項目

車両管理台帳には決まった様式はありませんが、基本的には「車両を特定する項目」「車両の状況を把握する項目」「保険に関する項目」の3つに分けて整理します。

各項目を網羅的に記録することで、車両の状態や管理状況を正確に把握でき、点検や更新の漏れ防止にもつながります。また、企業の運用実態に応じて項目を追加し、必要な情報を一目で確認できるようにしておくことも重要です。

ここからは、車両管理台帳に必要な3つの項目について、それぞれ詳しく説明します。

3-1. 車両を特定する項目

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車両を特定する項目においては、主に下記の情報を整理しておきましょう。

【1】車両本体にかかわる項目
(車両を特定する項目)
  • 登録番号
  • メーカー
  • 型式・色
  • 定員数
  • 車台番号
  • 社名
  • 初度登録年月
  • 車検日 など
【2】購入または廃車にかかわる項目
  • 仕入れ区分
  • 仕入れ先
  • 購入・リース金額
  • 購入・契約年月日
  • 廃車・解約年月日 など

これらは各車両を識別するための基本情報であり、正確に管理しておくことが重要です。特に、同一車種や類似車両を複数保有している場合でも、登録番号や車台番号などをもとに確実に特定できるようになります。

結果として、必要な手続きの漏れを防ぎ、スムーズな車両管理・運用につながるでしょう。

3-2. 車両の状況を把握する項目

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車両の状況を把握する項目においては、主に下記の情報を整理しておきましょう。

【1】車検・整備状況にかかわる項目
  • 車検有効期限
  • 定期点検記録
  • 整備工場名・連絡先
  • 整備状況 など
【2】修理・事故にかかわる項目
  • 修理歴
  • 修理箇所
  • 修理原因
  • 事故発生状況
  • 事故の概要
  • 事故処理の結果 など
【3】使用・管理にかかわる項目
  • 使用部署名
  • 運転者の氏名
  • 使用者・管理者の変更履歴 など

これらの情報を整理することで、車両が車検や法定点検といった基準を満たしているかを把握できるほか、整備や点検の実施状況を継続的に管理できるようになります。加えて、車両ごとの状態やリスクを把握しやすくなり、適切なメンテナンス計画の立案にも役立ちます。

結果として、突発的な故障・事故の予防や、安全かつ安定した車両運用の実現につながります。

3-3. 車両の保険に関する項目

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車両の保険に関する項目においては、下記の情報を整理しておきましょう。

【1】自賠責保険
  • 保険会社
  • 保険年月日
  • 証券番号
  • 保険金額 など
【2】任意保険
  • 保険会社
  • 証券番号
  • 保険内容
  • 保険期間
  • 保険代理店 など


これらの情報を整理しておくことで、保険の加入状況や補償内容、満了日を正確に把握でき、更新漏れや補償不足といったリスクを防ぎやすくなります。

また、万が一の事故やトラブルが発生した際にも、必要な保険情報をすぐに確認できるため、保険会社への連絡や手続きなどを迅速かつ適切に進めることが可能です。

結果として、対応の遅れによる損失やトラブルの拡大を防ぐことにつながります。

4. 車両管理台帳の作り方

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車両管理台帳の作成方法には、主に「エクセル・スプレッドシートで自社作成する方法」と「車両管理システムを利用する方法」の2つがあります。いずれもメリット・デメリットがあるため、車両の保有台数や管理体制に応じて適した方法を選ぶことが重要です。

ここからは、それぞれの方法について詳しく説明します。

4-1. エクセル・スプレッドシートなどを活用する

エクセルやスプレッドシートを活用すれば、自社に合わせた車両管理台帳を比較的容易に作成できます。無料のテンプレートを利用できるほか、導入コストがかからず、すぐに運用を開始できる点がメリットです。

一方で、入力や更新を手作業で行う必要があるため、車両台数が増えると管理が煩雑になりやすく、入力ミスや更新漏れのリスクが高まります。

また、ファイルの破損や情報漏えいといったセキュリティ面の課題もあるため、バックアップやアクセス管理などの対策が不可欠です。

4-2. 車両管理システムを利用する

車両管理システムを導入することで、車両情報や整備履歴、保険状況などを一元的に管理でき、効率的な運用が可能になります。入力項目があらかじめ整理されているため人的ミスを防ぎやすく、データの蓄積・分析によってコスト管理やリスク対策にも活用できます。

また、複数拠点での情報共有や更新もスムーズに行えるため、車両台数が多い企業や管理業務の負担を軽減したい場合に適しています。導入には一定のコストがかかるものの、管理の正確性や効率性を考慮すると、長期的には大きなメリットが期待できます。

なお、効率的に車両管理を行いたい場合は、KIBACOのようなクラウド型車両管理システムの活用も検討すると良いでしょう。

(リンク:KIBACO

5. 適切な車両管理にはアウトソーシングもおすすめ

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車両管理は、車両が日々移動する性質上、所在や使用状況を把握しにくく、管理者の目が届きにくい点が特徴です。そのため、台数が増えるほど業務が複雑化し、限られた人員で正確に管理することが難しくなるケースも少なくありません。

こうした課題を解決する手段として注目されているのが、「車両管理業務のアウトソーシング」です。

煩雑で手間のかかりやすい車両管理業務を専門業者(アウトソーサー)に委託することで、車両情報の管理や各種手続き、問い合わせ対応などを一元化でき、業務の効率化や属人化の防止につながります。

また、車両管理に関するノウハウを活用することで、管理体制の見直しやコスト削減といった効果も期待できます。

車両管理業務の専門業者を選ぶポイントとしては、下記が挙げられます。

  • 中立性を保つことができるか
    すでに契約があるリース会社等との契約時は、中立性の観点から特に注意が必要です。
  • 車両管理ノウハウを有しているか
    車両管理に関する知見が有り、車両管理システム等の機能も充実しているかなどを確認しましょう。

自社だけでの管理に限界を感じている場合は、キムラユニティーの「車両管理BPO」のようなアウトソーシングサービスの活用を検討してみるのも有効な選択肢と言えるでしょう。
(リンク:キムラユニティー 車両管理BPO

まとめ

車両管理台帳は、社用車の情報や使用状況、整備履歴、保険内容などを一元的に管理し、安全性の確保やリスク低減、コスト管理の効率化につなげるための重要なツールです。必要な項目を整理して適切に運用することで、事故やトラブルの防止だけでなく、安定した車両運用の実現にも役立ちます。

より効率的かつ正確な車両管理を行いたい場合は、KIBACOのような車両管理システムの導入や、車両管理BPOの活用も検討するとよいでしょう。自社の状況に合った方法を選ぶことで、車両管理業務の負担軽減と最適化が期待できます。

キムラユニティー くるまが編集室

キムラユニティー (株)
くるまが編集室

キムラユニティー・モビリティサービス「くるまが編集室」です。
車両管理・社用車管理・安全運転・カーライフに関する情報を、わかりやすく発信しています。1958年から培ってきたモビリティサービスのノウハウを活かし、法人向け車両管理BPOやコスト削減、安全管理支援など幅広いサービスを展開。現場で培った実践的な知見をもとに、企業の車両運用や日常のカーライフに役立つ情報をお届けします。