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厳しい残暑、タイヤトラブルにご注意! - くるまが

 夏は路面温度が高温になることから、バーストやパンクなどのタイヤトラブルが一年の中で起こりやすい時期と言われています。2025年は国内最高気温が2回更新される記録的な猛暑となり、群馬県伊勢崎で41.8℃を記録しました。そして10月まで厳しい残暑が長引く予想がされています。そこで今回は、夏のタイヤトラブルが起こる原因と対策についてお話します。
 

夏にタイヤトラブルが増える原因

 夏はタイヤにとって過酷な環境となる季節です。ここではタイヤトラブルが夏に増える理由をご紹介します。

 1:路面の熱によるゴムの劣化

2509_1_1.png タイヤのゴムはの影響を受けやすく、熱によって劣化していきます。強い日差しが照り付ける酷暑の路面は、火傷しそうなほどの熱さになります。その上を走るタイヤも高温に晒され、負担が大きくなります。そこに走行時のタイヤと路面との摩擦による摩擦熱も加わって、タイヤの温度はさらに上昇します。そのため、はタイヤの劣化スピードが早くなり、ひび割れ、パンク、バーストが起こりやすくなります。

 2:空気圧不足

 タイヤの空気圧が不足した状態で高速で走行すると、タイヤが波状に変形する「スタンディングウェーブ現象」が起こります。これはバーストの前兆となる危険な現象で、タイヤは急激に発熱を起こして内部の空気圧が急上昇します。そのまま走行を続けるとタイヤが一瞬で破裂するバーストに繋がります。スタンディングウェーブ現象が起こると、車体が小刻みに振動したのち、大きな振動に変わったり、タイヤのゴムが焼ける臭いなどの異変も出ます。

また、夏休みやレジャー移動などで長距離走行や高速道路走行の機会が増えることもタイヤへの負担が高まり、トラブルのリスクが高まる原因になります。そして暑さだけでなくキズ・ヒビなどといったタイヤの劣化やタイヤに負担のかかる過積載も、バーストやパンクの原因となります。
2509_1_2.png

 

タイヤトラブルを防ぐためには

 バーストやパンクなどのタイヤトラブルを防ぐには、車を正しく使用することが大切です。ここではタイヤトラブルに遭わないために実施したい対策をいくつか紹介します。

1:空気圧の点検

2509_1_3.png タイヤの空気は何もしなくても抜けていくため、指定された空気圧になるよう定期的に補充する必要があります。1か月に1回を目安に空気圧点検をしましょう。カー用品店で販売しているタイヤゲージを使って自分で点検もできますが、給油の際にガソリンスタンドでチェック・補充してもらうのがおすすめです。また、タイヤへの負担がかかりやすい高速道路走行前には必ず空気圧を確認しましょう。車種ごとに決まっている指定空気圧は運転席側ドアに表示がされています。

 

2:タイヤの状態を確認する

2509_1_4.png 乗車前に一周し、タイヤの側面・接地面の状態を確認していきましょう。確認のポイントは以下の通りです。

 ・ひび割れ、亀裂はないか

 ・ふくらみ(コブ)はないか

 ・えぐれキズはないか

 ・などの異物が刺さっていないか

 ・異常な摩耗がないか

 ・タイヤの溝は十分あるか(スリップサインが出ていないか)

 特にタイヤ側面のコブのようなふくらみはバーストに繋がる恐れのある現象のため、早急にタイヤ交換する必要があります。また、スリップサインが1か所でも出ているタイヤは道路交通法で装着・走行が禁じられおり、整備不良として交通違反の罰則対象になります。(普通車の場合違反点数2点、罰金9,000円

 

3:タイヤローテーションを行う

2509_1_5.png 定期的に前後・左右のタイヤの位置交換を行うことで、タイヤの摩耗を均一にして片減りを減らすことができます。タイヤローテーションはタイヤを長持ちさせるメリットもありますので、車検や定期点検の際に実施することをお勧めします。

 

4:荷物や人を積みすぎない

2509_1_6.png 車には最大積載量や定員が定められています。指定された最大積載量を超えた荷物や乗車人数を載せて走ることはタイヤへの負担を大きくし、タイヤ寿命が短くなります。最悪の場合、過熱してバーストにも繋がります。トラック等の事業用車両では、過積載取り締まりの対象にもなります。荷物の量を調整して、安全な運行を守りましょう。

 

走行中にタイヤトラブルに気付いたら

 もしも走行中にパンクやバーストなどのトラブルが起こった場合、そのまま走行を続けることは危険です。まずは路肩や安全な場所へ車を停車させることが大切になります。特にバーストが起きた場合はハンドル操作もままならなくなるため、ハンドルをしっかり握って徐々にスピードを緩めます。急ハンドルや急ブレーキを避け、安全な場所に停車することだけに集中しましょう。

安全な場所へ停車したらハザードランプを点灯させ、停止表示板や発煙筒などの停止表示器材を設置します。後続車に自車の異常を知らせ、追突などの二次被害を防ぐことができます。

 安全確保ができたら、携帯電話や道路脇にある非常電話を使ってロードサービスへ連絡しましょう。JAFや保険会社の電話番号が分かるものを車に備え付けたり、携帯電話に番号を登録しておくと、いざという時に便利です。バーストの場合はパンクと違い自力での修理は不可能なうえ、バーストの衝撃でタイヤ以外の部分が損傷している可能性があります。無理をせず救援を待ち、整備工場で車全体を点検してもらうのが安心です。

ちなみにスペアタイヤを積んでいる車の場合、その場で交換して走行を続ける方法もありますが、スペアタイヤは近くの整備工場への移動など応急処置としての使用にとどめるのが賢明です。

 

最後に

 タイヤのバースト・パンク以外にも車のトラブルを予防するには、日常点検が最善の方法と言えます。日常整備は、日頃車を使用する中でドライバーが自分でできる点検項目です。マイカーの方は走行距離や運行時の状況などに応じて、業務で車を使用されている方は一日の運行前に実施してください。

日常点検チェックシートや日常点検の仕方は国土交通省のホームページ(https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t1/t1-2/)にも掲載されているので、活用して実践してみましょう。また、自分で点検するのは不安な方はお近くの整備工場にご相談ください。日頃走行していて気になることなどがあれば、車のプロである整備士に気軽に相談してみてください。

なお、キムラユニティーグループの整備工場は愛知県内に7店舗がございます。名古屋、三河、尾張のすべての地域に店舗がありますので、お近くでお困りの事がございましたらお気軽にご用命くださいませ。

店舗の詳細はこちら(https://www.carlife-service.com/store.html)をご覧ください。

WEB運転適性検査 - くるまなび

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知っておきたい!電動キックボードの交通ルール - くるまが

はじめに

 街中で見かける機会が増えた電動キックボード。「便利そうだけど、免許は必要なの?乗っていい場所は?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。今回は令和5年(2023年)71日から導入されている電動キックボードの交通ルールについてご紹介します。

 

令和5年(2023年)71日法改正で何が変わったの?

道路交通法の改正後、電動キックボードを取り巻く法制度の特に大きな変更点は、以下の2点です。

1.特定小型原動機付自転車という新しい車両区分が創設された

2.特定の条件を満たす電動キックボードは運転免許が不要になった

 これまで電動キックボードは、いわゆる原付バイク又は自動車と同じ扱いで、運転免許が必要でした。それが道路交通法の改正により、一定の基準を満たす電動キックボードは、「特定小型原動機付自転車」と定義され、16歳以上であれば、運転免許がなくても運転ができるようになりました。では「基準を満たす電動キックボード」とはどういったものなのか、また、電動キックボードを運転するときに注意すべき交通ルールを確認していきましょう。

 

特定小型原動機付自転車とは?

特定小型原動機付自転車の基準は以下の条件を満たした電動キックボードを指します。

車体の大きさ
  • 長さ:190センチメートル以下
  • 幅:60センチメートル以下
車体の構造
  • 原動機として、定格出力が0.60キロワット以下の電動機を用いること。
  • 時速20キロメートルを超えて加速することができない構造であること。
  • 走行中に最高速度の設定を変更することができないこと。
  • オートマチック・トランスミッション(AT)であること。
  • 最高速度表示灯(灯火が緑色で、点灯又は点滅するもの)が備えられていること。

 これらの基準を満たさないものは、形状が電動キックボード等であっても、特定小型原動機付自転車にはならず、令和5年7月1日以降も、引き続き車両区分(一般原動機付自転車又は自動車)に応じた交通ルールが適用されます。

 

特定小型原動機付自転車を運転する上での義務とは?

2508_2_1.png 特定小型原動機付自転車には、ナンバープレートの取り付け自動車損害賠償責任保険への加入義務付けられています。特定の条件を満たせば免許は不要になったものの、ナンバープレートはほとんど全てのケースで必要となります。ナンバープレートなしで公道を走行した場合、法令違反となり、罰金や罰則の対象となりますので絶対にやめましょう。

また、運転者には、ヘルメット着用の努力義務が課せられています。

 

【特定小型原動機付自転車運転時の罰則規定はあるの?】

特定小型原動機付自転車を運転する際の主な交通ルールは次のとおりです。

16歳未満の運転の禁止

2508_2_2.png 16歳未満の人が特定小型原動機付自転車を運転することは禁止されています。また、16歳未満の人に対して、特定小型原動機付自転車を貸したりすることも禁止されています。

②飲酒運転の禁止

2508_2_3.png お酒を飲んだときは絶対に運転してはいけません。また、飲酒運転をするおそれがある人に特定小型原動機付自転車を貸したり、お酒類を提供・飲酒を勧めたりすることも禁止されています。※飲酒運転者のみならず、お酒の提供者も厳しく処罰されます。

③二人乗りの禁止

2508_2_4.png 特定小型原動機付自転車は、二人乗りは禁止されています。

④運転中にスマートフォンでの通話と画面を見ながらの運転の禁止

2508_2_5.png 周囲の危険を発見することができず、歩行者や他の車に衝突するなどして、重大な交通事故を誘発する恐れがあるため禁止されています。

⑤信号無視・一時不停止の禁止

2508_2_6.png 他の車両と同様に、信号や一時停止の標識は必ず守りましょう。違反行為には罰金や懲役などの罰則が科せられます。運転する前にどのような行為が違反にあたるのか、事前に確認しておくことが大切です。

 

特定小型原動機付自転車が通行できる場所は?

 電動キックボードで走行可能な場所が改正前は車道のみだったのに対し、改正後は車道・路側帯・自転車レーン・歩道と大幅に増えました。走行可能な場所と走行してはいけない場所は次の通りです。

【走行可能な場所】

  • 車道: 原則として車道の左側を走行します。
  • 普通自転車専用通行帯: 自転車専用レーンも走行可能。
  • 自転車道: 自転車道も走行可能。
  • 路側帯: 歩行者の通行を妨げない限り、路側帯も走行可能。

 

【走行してはいけない場所】

  • 歩道:原則として通行禁止

※ただし特例特定小型原動機付自転車は歩道に「普通自転車等及び歩行者等専用」の標識がある場合のみ、歩行者の通行を妨げないように通行することができます。歩道を走行する際はあくまで歩行者が優先であることを忘れないでください。

  • 高速道路・自動車専用道路:すべての電動キックボードの走行は禁止。
  • 歩行者専用路側帯:歩行者専用の路側帯は通行禁止。
  • 通行禁止の標識がある道路:「車両通行止め」や「原付走行禁止」などの標識がある道路は走行不可。
  • 右側車道:左側通行が義務。右側を走行すると「通行区分違反」となります。

 

最後に

 2023年の法改正以降、電動キックボードは利便性が高いことに加え、電気で動くことからガソリン車やバイクに比べてCO2排出量を削減できる点もメリットとなり、都市部での短距離移動に適した手軽で環境に優しい移動手段として注目されています。ただし、車両である以上、道路交通法のルールを守ることが何よりも大切です。電動キックボードを運転するにあたり、守るべき交通ルールと違反や罰則の対象とされる行為をしっかりと把握しておくことが重要です。通勤時やちょっとした移動に便利な電動キックボード、正しい知識を持って、スマートで安全な新しい形のモビリティライフを取り入れてみてはいかがでしょうか。

盗まれやすい車の共通点と盗難対策 - くるまが

 近年自動車の盗難件数は減少傾向でしたが、警察庁の発表によると2024年には再び増加して前年の5,762件から6,080件になったそうです。2025年も自動車盗難は増えることが予想され、特定の車両が集中して狙われる傾向が強くなっています。そこで今回は、自動車盗難されやすい車の特徴や愛車を守る盗難対策についてお話したいと思います。

 

自動車盗難の実態

 警察庁が発表した2025年上半期の車両盗難台数を見てみると、盗難台数上位の車は前年上半期の盗難台数に比べて多くの車種が増加していることが分かります。特にトヨタのランドクルーザーは765台と前年同時期と比べて175台も被害が多くなっています。

 

車名

2025年上半期

盗難台数

前年上半期

盗難台数

前年比増減

1位

トヨタ/ランドクルーザー

765

590

175

2位

トヨタ/プリウス

289

287

2

3位

トヨタ/アルファード

191

303

-112

4位

トヨタ/レクサスRX

141

80

61

5位

トヨタ/レクサスLX

120

112

8

6位

トヨタ/クラウン

107

44

63

7位

トヨタ/ハイエース

97

60

37

8位

トヨタ/レクサスLS

55

44

11

9位

トヨタ/ハリアー

50

17

33

10位

スズキ/キャリィ

43

44

-1

 
 同じ車でも新しい年式の車の他、西暦2,000年以前に製造された古い型式の車が盗まれることもあります。また、普通乗用車、軽自動車の他に小型・中型・大型問わずトラックを狙った犯行も発生しているとのことです。

参考資料:令和7年上半期における車名別盗難台数の状況(警察庁)
https://www.npa.go.jp/newlyarrived/2025/R7kamihankizidoushatounan.pdf

 

盗まれやすい車の特徴

 現代の車両盗難は高度・巧妙化が進み、古い車が狙われるという簡単なものではなくなりました。特に最近の傾向として「特定の条件を満たした車が組織的に狙われる」というケースが増加し、施錠をしていても盗まれる新手の手口もあるため、盗難被害は身近に迫っていると言えます。

ここでは盗難被害に遭う車の特徴と理由についてご紹介します。

1:海外での需要が高い車種

2508_1_1.png 盗難車の多くは国内で解体されて部品で売却される以外に、そのまま海外へ輸出されるケースが非常に多くなっています。特に中東・アフリカ・東南アジア諸国では、日本車の耐久性や車検制度など整備が行き届いている品質に対する評価が高く、高値取引の傾向があります。

 ランドクルーザーや、ハイエースは性能や耐久性から現地では重宝されるため、現地バイヤーの強い需要を背景に窃盗グループのターゲットとなり、盗難リスクが高くなっています。

 

2:市場価値の高い高級車・新型車

2508_1_2.png 高級車や新型車はそもそもの車両価値が高く、盗んでから早いタイミングで現金化できると言われています。レクサス、アルファード、クラウン等、外装や内装の高級感がある車種は、先ほど紹介した盗難被害台数でも上位に挙がっており、早く現金化したい窃盗グループにとっては効率のいいターゲットと言えます。特に限定モデルや新型はすぐに売れるためリスクよりもリターンを重視する窃盗グループの標的になりやすくなっています。

 

3:流通量の多い人気車種

2508_1_3.png 市場に多く出回る車種は盗んだ後の部品流用や転売がしやすく、足が付きにくいという利点があり、窃盗グループにとっては「安心して売れる商品」となります。
プリウス、ヴォクシー、ノアなどファミリー層に人気のある車は、事故修理や中古部品需要が高いため、解体して部品販売するのに適しています。

 

4:防犯対策がされていない・駐車場所が悪い

2508_1_4.png どんなに盗まれやすい車種でもしっかりと防犯対策がされていれば、発覚のリスクを嫌って窃盗グループはターゲットから外す傾向があります。逆に防犯対策がされていない車や人気のない暗い場所に駐車している場合には、窃盗グループから狙われやすくなりますので注意が必要です。

 
例えば以下のような状況は狙われやすい環境です。

・自宅前などで無防備に屋外駐車している
・監視カメラや照明のない場所に駐車している
・セキュリティ装置(ハンドルロック等)がついていない
・スマートキーの電波が常に出ている(遮断ポーチ等を使っていない)

 

5:スマートキー搭載車

2508_1_5.png 現代の車では標準装備になっているスマートキーですが、「リレーアタック」や「CANインベーダー」といった新たな盗難手口の登場により盗難リスクを高めています。スマートキー搭載車はセキュリティが高いと思われがちですが、新技術によって狙われやすいという側面も持ち合わせています。

リレーアタックは、犯人がスマートキーの電波を中継することで、本来は鍵を持っていないのに車に鍵が近くにあると誤認させて開錠・エンジン始動させる手口です。CANインベーダーは車のバンパー裏などから特殊な機器を使って車載コンピュータへ直接アクセスし、車両ロックを解除してエンジンを始動させます。CANインベーダーは近年増えている高度な技術で、わずか数十秒で車が盗まれることもあります。

 

愛車を盗難から守る対策

 では盗難から車を守るためにはどうしたらいいのでしょうか。窃盗グループからターゲットにされた場合、完全に被害を防ぐことは難しいという前提はあります。ただ、犯人が盗みづらい、捕まりやすくなるような状況を作ることで盗難のターゲットから外れられる期待があります。

特に窃盗犯が嫌がるのは「時間人の目」の4つです。この4つを駆使しながら愛車を窃盗犯から守りましょう。

 

1:音

2508_1_6.png 警告音や警報装置は犯人をひるませる効果があります。窃盗時に生じる不自然な振動等を察知して、音が鳴る装置が有効です。

 

2:光

2508_1_7.png 駐車場を明るくすることで犯人が車に近づきにくくなります。人が近づくと明かりがつくセンサーライトの設置がおすすめです。特にCANインベーダーの対策として左前のバンパー部分を明るくしておくと効果的です。また、自宅以外の駐車場を使う時も外灯のついた明るい場所を利用しましょう。

 

3:時間

2508_1_8.png ハンドルロック、タイヤロック、車止めポールなど物理的に車を動かせないようにすることで、犯行に時間をかけさせます。そうすることで、犯人が窃盗を諦める可能性が上がります。

 

4:人の目

2508_1_9.png 防犯カメラが設置されている、人通りのある場所に面しているなど、人の目が行き届く場所の駐車はおすすめです。今では自宅の駐車場でも簡単に設置できる防犯カメラが安価に販売しています。スマホやタブレットでいつでも映像チェックができたり、スマホを通じてスピーカーを使い遠隔で警告できるものもあります。

 

 車本体への防犯はもちろん、車を停める駐車場やガレージへの防犯も大切です。警察庁でも複合的な防犯対策を行うことを推奨していますので、上記の対策以外にもセキュリティシステムの導入、GPS追跡装置の設置といったできる限りの対策を同時に実施しましょう。

また、車外から見える場所に財布やスマートフォンなどの貴重品を置かないといった基本的な防犯対策もお願いします。

 

最後に

 窃盗の手口も巧妙化かつ組織化しており、現代では「しっかりと鍵をかけていても車が盗まれる」という現状がありますが、まずは短時間でも車を離れる時はドアロックが基本です。犯人はその少しの時間を狙って犯行に及ぶこともあるので、隙を見せないようにしましょう。

 また車両保険に加入していると、盗難に対する補償を受けられる場合があります。日本損保協会の調査によると、盗難車が発見される確率は約24%、手元に車が戻ってくる確率は約19%と大変低くなっています。万が一盗まれてしまった後の対策として、自動車保険の契約内容の確認・見直しもおすすめです。日々の意識と対策が愛車を守ることになりますので、ぜひできることから防犯対策を始めてみてください。

【注意喚起】モバイルバッテリーの車内放置にご注意 - くるまが

はじめに

 みなさまはスマートフォンやワイヤレスイヤホン、モバイルバッテリーなどを車内に置いたまま出かけてしまうことはありませんか?これらの電子機器にはリチウムイオン電池が使われており、高温に非常に弱いという特性があります。そのため、夏の車内に放置すると最悪の場合、発火や爆発につながるリスクがあること、ご存知でしょうか。

リチウム電池の熱暴走

 炎天下における車内はどれほどの高温になるのでしょうか。JAF(日本自動車連盟)の実験によると、外気温が35℃の日に日向に駐車したクルマの車内温度は、30分55℃前後、1時間60℃を超えることもあり、特にダッシュボードの表面は70℃以上に達するケースもあります。このような過酷な環境下に、熱に弱いリチウム電池を搭載した製品を置きっぱなしにしてしまうと、やがてリチウム電池の「熱暴走」という危険な現象が発生する恐れがあります。

 熱暴走とは、電池の内部温度が上がることで激しい化学反応が起こり、その反応によってさらに熱が発生して、加熱と反応の連鎖が止まらなくなる現象です。いったん暴走が始まると自然には冷めず、発煙・発火、最悪の場合は爆発に至ることもあります。

特に注意したいリチウム電池を搭載した製品は以下のとおりです。

スマートフォン

モバイルバッテリー

タブレット・ノートPC

ワイヤレスイヤホン

電子タバコやVAPE

モバイルWi-Fiルーター

携帯型ゲーム機

ポータブル扇風機・ハンディファン

コードレス掃除機

スマートウォッチ

電動工具バッテリーパック

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 上記の製品以外にも「充電式である」「小型でも高出力」といった特徴を持つ製品にはリチウム電池が搭載されている可能性が高いと考え、車内には安易に放置しないようにしましょう。車を降りるときは持ち出す習慣をつけることが重要です。もしも車内に置いておく場合は断熱遮熱素材を使ったポーチや専用ケースを使うと安心です。

 「ドライブレコーダーは車内に置きっぱなしで大丈夫なの?」と心配になりますが、 ドライブレコーダーに内蔵されているリチウム電池は、車内常設を前提に設計されたものが使われているのが一般的です。そのため、ほとんどの製品は真夏の車内温度の上昇も想定されて設計されています。
 また、最近では「スーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)」を採用することで、リチウム電池そのものを使わないモデルも増えており、過熱によるリスクはさらに低減しています。しかし多くのドライブレコーダーはルームミラーのすぐ近くやフロントガラスの上部中央付近に設置されることが多いと思います。この位置は、夏場にもっとも日射が集中して温度が上昇しやすいエリアです。長時間、直射日光に当たり続けるとドライブレコーダー本体や内蔵バッテリーに負荷がかかりやすく、バッテリーの劣化が早まり、内部部品の寿命が縮む原因になります。サンシェードを使うなどして、直射日光がドライブレコーダーに当たらないような工夫をすると安心感は高まります。

 リチウム電池は経年劣化しやすく、性能が低下すると発熱しやすくなります。使用から5年以上経過しているような製品に関しては、電池パックが膨らんでいないか、突然電源が落ちたり録画時間が極端に短くなったりしないかなどをチェックして、兆候がみられたら点検・交換を検討しましょう。

その他の車内に放置すると危険なもの


またリチウム電池搭載製品ではなくとも、車内に放置すると危険なものがいくつかあるので下記製品に関してもご注意が必要です。

 スプレー缶(消臭剤、ヘアスプレー、塗料など)

2507_2_2.png スプレー缶の内部は高圧ガスで満たされており、高温になると内圧が上昇して破裂するおそれがあります。

 炭酸飲料・缶ビール

2507_2_3.png ペットボトルや缶に入った炭酸飲料も高温となって内部の圧力が高まると、破裂して中身が飛び散るおそれがあります。特に冷凍・加熱に対応できる設計になっていない容器は要注意です。

 化粧品・日焼け止め・香水・医薬品

2507_2_4.png 中身が変質したり、容器が変形したり破裂することがあります。ちなみに、クリーム類や医薬品は変質しやすいため、保冷効果のあるケースに入れるのがおすすめです。

 CDDVD・スマートカード

2507_2_5.png 熱で反り返り、読み込み不能になることがあります。ICチップ入りのカード(運転免許証、ETCカードなど)は、高温でデータが破損する可能性も。少し面倒ですが、ETCカードは長時間にわたり駐車する場合は車外へ持ち出すことをおすすめします。

 メガネ

2507_2_6.png 熱で変形変色し、樹脂フレームのメガネなどは、ゆがんでフィットしなくなることもあります。

最後に

 夏場における炎天下で長時間駐車される場合、車内温度は急激に上昇します。車内に残されたモバイルバッテリー・スマートフォン・タブレット端末など、リチウムイオン電池を使用した製品は、高温となることで発煙発火の恐れがあります。また、相次ぐ機内でのモバイルバッテリーの発煙・発火事例を受け、日本の航空各社では78日から、モバイルバッテリーの機内への持ち込みに新たなルールが設けられましたが、車内においても発火、爆発等、思わぬ事故に繋がる恐れがあります。まだ暑い日が続きますので、この機会に車内の荷物などを見直してみてはいかがでしょうか。

【事故発生社員コース】合同オンライン研修 - くるまなび

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あおり運転の被害者にならないためのポイント - くるまが

はじめに

 20176月に起きた「東名高速あおり運転事故」を覚えていらっしゃいますでしょうか。この事故は、あおり運転によって夫婦が死亡し、子供2人が残されるという痛ましい事件として記憶されています。この事件は社会に大きな衝撃を与え、あおり運転の危険性が改めて認識されるきっかけとなりました。その後、20206月にあおり運転に対する罰則が創設されました。すでに5年が経過しているにも関わらず依然としてあおり運転のニュースはなくなりません。そこで本コラムではあおり運転の定義と、その被害に遭わないための注意点をご紹介します。

 あおり運転とは

あおり運転とは、正しくは「妨害運転罪」といい、あおり運転を厳しく取り締まるため、20206月に創設されました。妨害運転の対象となるのは、以下の10の行為です。

  1. 通行区分の違反
  2. 急ブレーキ禁止違反
  3. 車間距離不保持
  4. 進路変更禁止違反
  5. 追い越し違反
  6. パッシング(減光等義務違反)
  7. クラクション(警音器使用制限違反)
  8. 幅寄せ(安全運転義務違反)
  9. 高速道路での最低速度違反
  10. 高速道路での駐停車違反

妨害運転をすると3年以下の懲役または、50万円以下の罰金が課されます。
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 妨害運転の中でも車間距離不保持が頻繁に行われている行為です。実は無意識に車間距離不保持をしてしまっている運転者も多くいます。事故防止のためには一般道の場合は車間距離を40m(高速道路の場合は100m)保持することを推奨していますが、時折5m程度の車間距離で走行し続ける車を見かけます。普段から5m程の車間距離で走行する人にとってはそれが当たり前の距離かもしれませんが、安全な車間距離を保持して走行している運転者からすると「あおられている」と感じてしまいます。そしてこの「あおられている」と感じたことがきっかけで、妨害運転を誘発することがあるのです。

 進路変更が発端で妨害運転を引き起こしてしまう場合もあります。進路変更をした側は特に危険だと思わずに車列の間に入ったとしても、車間距離が十分ではないと入られた側が「急な割り込みをしてきた」と受け取ってしまい、入ってきた車両に対して妨害運転をしてしまう危険性があります。追い越し時の車間距離についても同じことが言えます。追い越すときに適正な車間距離を確保して行わなければ、追い越される側の運転者の恐怖心を招きます。

 高速道路で起こりがちな妨害運転のきっかけになる行動は、『追い越し車線を走行し続けること』です。追い越し車線を走り続けるのは車両通行帯違反という道路交通法第20条の違反になります。道路の一番右側の車線は、文字通り追い越しをするための車線であり、それ以外の目的での走行は原則として認められていません。通常は左車線やセンターの「走行車線」を走りましょう。それだけで妨害運転に遭うリスクを下げることができます。

 また、ウインカーを出すタイミングも大切です。ハンドルを切るタイミングでウインカーを出す人もいますが、ウインカーを出すタイミングは交差点の30m手前車線、進路変更をする3秒前と決められています。ウインカーを出すタイミングが早くても遅くても危険です。

2507_1_2.png 運転中は、常に周囲の車の様子を確認しながら安全運転をするのが基本ですが、これは、妨害運転を受けないようにするためにも大切なことです。周囲を確認しないことによって、極端に車間距離を詰めることになったり、不要な急ブレーキをかけることになったりした場合、それが原因で妨害運転を受けることになるかもしれません。自分だけではなくほかのドライバーも安全かつ快適に運転できるよう、周囲を確認しながら運転してください。また、挙動があやしい車や急な割り込みなどの危険な行為をする車がいたら、できるだけ距離をとることが大切です。

最後に

 知らず知らずのうちに、今まで挙げたような運転行動で他者の妨害運転を誘発してしまう場合があります。妨害運転の根底には「進路妨害された」という思いがあることがほとんどです。譲ってあげるという気持ちがあれば、あおられることもなく、皆がスムーズに走行することができます。相手がどう感じるかに配慮して、進路変更や右左折、追い越しなどの運転行動をとるように心がけてください。

大雨時はアンダーパスの冠水にご注意! - くるまが

6月以降は梅雨や台風、最近では線状降水帯による大雨により、車が流される・冠水するなどの被害が出ることがあります。中でも注意したいのが「アンダーパス」での事故です。今回はアンダーパスでの事故をはじめとした、大雨時に命と車を守るための注意点をお話します。

 

大雨時にアンダーパスが危険なワケ

 線路や道路の下をくぐる立体交差道路をアンダーパスといいます。水害時はこのアンダーパスでの事故が多く発生し、ニュースでも話題に上がっています。

ゲリラ豪雨や線状降水帯のように大量の雨が降ると道路の排水処理が間に合わず、低くなった場所に水が溜まっていきます。はじめは水深が浅くても、坂になった路面から一気に雨水が流入することで短時間に水位が上昇する恐れがあるので大変危険です。

また、アンダーパスに溜まる水は濁っていたり木片やごみが浮遊していることが多く、足元が見えにくくなります。正確な水深が分からないままアンダーパスへ侵入して車に浸水してくると、エンジンが停止し身動きが取れなくなる場合があります。浸水した際の地面から水面までの高さを「浸水深」といい、浸水深が大きくなるほど車の走行にも支障をきたします。10cm程度であれば問題なく運転できますが、10~30cmになるとブレーキ機能が低下し、30cmを超えるとエンジンが停止して車が使えなくなります。
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浸水深 自動車走行
0~10cm 走行に関し、問題はない。
10~30cm ブレーキ性能が低下し、安全な場所へ車を移動させる必要がある。
30~50cm エンジンが停止し、車から退出を図らなければならない。
50cm~ 車が浮き、また、パワーウィンドウ付の車では車の中に閉じ込められてしまい、車とともに流され非常に危険な状態となる。

 アンダーパスでの事故が相次ぐため、壁面への水位線表記やアンダーパス内に設置した水位検知器で表示板に警告を出すという対策もされつつありますが、全ての箇所についているとは限りません。そしてアンダーパスの通過は「これぐらいならこのまま通過できるだろう」という正常性バイアスという心理状態に陥りやすいとも言われています。

大雨が降っている時はアンダーパスには近づかず、無理な通行を避けるようにしましょう。

 

大雨時に命や車を守るポイント

 アンダーパス以外にも低い土地で水が溜まりやすい場所や地下通路など、大雨によって道路が冠水する箇所は多くあります。また、土砂崩れが起きやすい山間部なども危険です。そこで大雨時に命や車を守るための対策を4つお教えします。

 

1:天気予報を確認する

2506_2_2.png 運転前には行先までの天候を確認するようにしましょう。ゲリラ豪雨や線状降水帯といった大雨の予測も、最近ではインターネットで簡単にチェックできます。運転前の段階で雨脚が強い場合には小康状態になるまで運転を控え、運転中も天候悪化など危険を感じたら無理をせず安全な場所で待機するようにしましょう。

 

2:運転ルートを確認する

2506_2_3.png 運転中に雨脚が強くなった場合に備えて、安全な運転ルートを確認しましょう。大雨時に危険なアンダーパスや川の付近、土砂崩れの起きやすい場所などを回避するルートを調べておくと、いざという時に安心です。各自治体が提供しているハザードマップでは、浸水・土砂災害などの自然災害リスクを地図化しており、危険箇所を知るには便利です。

 

3:防災用品を備える

2506_2_4.png 万が一車が水没してしまった時でも脱出用ハンマーがあると、窓ガラスを簡単に破壊して車外へ脱出できます。カー用品店などで購入できるので、運転席から手の届きやすいドアポケットなどに入れておきましょう。

 

4:浸水する危険がある場所に車を停めない

2506_2_5.png 崖や川に近い場所、低い土地にある駐車場や地下駐車場といった浸水のリスクが高い場所を避けて駐車することで、車が冠水することを防げます。さらに屋根のある保管場所を選ぶと、飛来物からも車を守ることができます。

 

 

車が水没した時の対処法

 万が一車が水没した場合には、以下のポイントを押さえておきましょう。

1:車を停めてエンジンを速やかに停止させる

 水によるエンジン内部の損傷や感電のリスクを減らすためにも、運転中に水が車内に入ってきたらエンジンはすぐに切りましょう。道路上で止まってもまずは停車させてから避難方法を考えます。

 

2:エンジン停止後は水が引いても再始動はさせない

 車のフロアを超えて浸水した場合には、エンジンの吸気系に水が入っている可能性があり、その状態でエンジンをかけると故障の恐れがあります。道路から水が引いても、エンジンはかけないようにしましょう。

車を移動させる必要がある場合はニュートラルにギアを入れ、車を押して動かすようにしましょう。手で押して動かない場合にはロードサービスへ連絡してレッカー移動を依頼します。

 

3:車内に水が浸入してきたら慌てず脱出

水がさらに侵入して水圧でドアが開かない場合は、緊急脱出用ハンマーで側面のガラスを割って脱出します。なお、緊急脱出用ハンマーがない場合は車内水位と外の水位の差が小さくなったタイミングを見計らってドアを一気に開けて脱出しましょう。

 

4:脱出後は車をそのまま放置して安全な場所へ退避

 車は水が引くまで放置し、その旨を購入したディーラー等へ連絡しましょう。水が濁っていて足下が見えづらいため、退避する際は「一歩ずつ慎重にゆっくり」がポイントです。すぐに冠水路へ飛び出さず、片足ずつつけて水深を測りながら、ゆっくりと進んできた方向へ歩いて戻ります。近くに傘や木の棒などがあれば、つついて足下を確認しながら進むと安心です。

 

2506_2_6.png そして車が水没した場合、気になるのは補償や車の処分についてではないでしょうか。任意加入する車両保険の多くでは、台風や大雨が原因で水没した場合には補償が受けられます。今一度加入している保険が、万が一の時に補償が受けられる契約内容かを確認しておきましょう。保険金の受け取り以外にも被災した車の写真があると、罹災証明書の受け取りなどがスムーズになります。「ここまで水に浸かった」と分かる写真を何枚か撮っておきましょう。

 水没すると車内に臭いが残ったりボディに錆が発生するだけでなく、電気系統に不具合が起こりやすいため、修理なしにそのまま乗り続けることは難しいです。修理する場合・廃車にする場合いずれにしても早めにディーラーや整備工場へ連絡することをお勧めします。

 

最後に

 浸水被害は日頃の備えと早めの行動で防ぐことができます。日常運転している時に道路や河川状況や危険場所を確かめ、情報を整理して情報共有することが大切です。万が一浸水してしまった場合にも冷静に落ち着いて行動し、命を守る行動を取るようにしましょう。

春~初夏でも車内は灼熱地獄!?子どもの命を守るために知っておきたいこと - くるまが

 子どもを車内に残し「ほんの少しだけ」と思いながら車を離れた経験はありませんか?しかし、外気温がたった24℃でも、車内温度はわずか10分で40℃を超えることがあり、真夏でなくても、車内はまるでサウナのような環境になり、非常に高いリスクを伴うということはご存じでしたか?毎年、こうした状況で子どもが熱中症になる事故が後を絶ちません。今回は車内の熱中症の危険性についてお伝えします。

 

なぜ春や初夏でも車内の熱中症に注意が必要なのか?

2506_1_1.png 気温が上がると注意したいのが車内での熱中症です。外気温が高い夏場はもちろんですが、過ごしやすい気温の春先から初夏にかけても、車内で熱中症になる危険性が高まるので十分注意が必要です。JAFのユーザーテストによれば、気温35度の猛暑日にエアコンを使用していない状態で直射日光の下に駐車した場合、30分で車内温度は40度前後に達しました。しかし気を付けるのは夏だけではありません。5月上旬にも同様のユーザーテストを行ったところ、2時間ほどで車内温度が40度前後になることがわかりました。これからの季節のお出かけの際も車内温度に気を付け、短時間であっても子どもやペットを車内に残して離れないようにしましょう。

 

子どもの体は大人よりも熱中症に弱い理由

大きな理由は2つあります。それは「汗をかく能力の低さ」と「体格と水分量の違い」です。

・汗をかく能力の低さ

2506_1_2.png まず大前提として「子どもと大人の身体の体温調節機能は全く違う」ということを頭に入れておきましょう。そして、子どもが熱中症になりやすい理由の1つ目が、体温調節にとても重要な役割を果たす「汗をかく能力」が、子どもはとても低いということです。体外に熱を放出させる(=深部体温を下げる)ために人間は「汗をかく」のですが、子ども(=思春期前の子ども)はまだしっかり汗をかくことができません。汗は「汗腺(かんせん)」という皮膚上にある腺から分泌されます(=要は、汗腺から汗をかきます)。汗腺の数自体は大人も子ども300万〜400万個程度、と変わらないのですが、実際に機能している汗腺が少ないため、大人と同じように「汗をかくことで体温を下げる」ということができないのです。汗をかくことによる体温調節機能が大人と同じレベルになるのは18歳ごろです。体温調節のメカニズムを知ることで熱中症を効果的に予防することができるようになります。

 

・体格の違い

2506_1_3.png 身体が作り出すの量は、体重が増えれば増えるほど多くなります。つまり、体重50kgの人が作り出す熱の量と70kgの人が作り出す熱の量を比べると、70kgの人の方が、同じ行動をしたときに作り出される熱の量は多くなります。よって、体が大きい人ほど体内に生まれる熱が多いため、より多くの汗をかいて体外に放出しようとします。体内で作り出された熱を体外に放出するために、「汗をかく」ことともう一つ重要なキーポイントが「身体の表面積」です。身体が作り出す熱の量は体重が増えれば増えるほど多くなる、と上記しましたが、「体外と体内の熱移動の量」は逆で、体重が少ないほど相対的に表面積が大きくなるため、環境によって体温は上がりやすくもあり、下がりやすくもあります。よって気温が高い日は、大きい表面積によって熱をどんどん吸収してしまうとともに、汗腺が未発達なために汗もうまくかくことができないため、大人と比べ、子どもの方が熱中症になりやすいです。

 

車内温度が高いときの効率的な下げ方

 車内の温度が高くなってしまったときに温度を下げる方法として、車内にもともと搭載されているカーエアコンを効果的に使うことで、暑くなってしまった車内の温度を効果的に下げることが可能です。車内温度が55℃と高温になった駐車車両の車内温度を下げるための方法として、最も早く温度が下がったのは「窓を全開にして車のエアコン(オート)を外気温導入、温度設定をLo(最低温度)にして走行し、2分後に窓を閉め、エアコンを内気循環にして3分間走行する方法」でした。この方法では5分後の車内温度が28℃になりました。

以下のイラストのように、窓を全開にしてエアコンを外気導入にして走り出し、車内の熱気を出したら窓を閉め、内気循環にして冷やすことが最も効率的に車内を涼しくする方法です。
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(参考: こんな人は特に注意!「車に乗る人」 | 熱中症ゼロへ - 日本気象協会推進)

 

最後に

 子育て中は、つい慌ただしくなりがちです。「今日は涼しいから、ちょっとだけなら大丈夫」----そんな油断が、取り返しのつかない事故につながるかもしれません。ほんの少しの注意が、大切な命を守ることにつながります。子どもを車内に残して絶対に離れないでください。「知っている」だけで防げる事故もあります。意識を変えることが、子供の命を守る第一歩です。

 また、注意するのは子どもだけではありません。「車内で家族を待っているあいだ、エアコンを切っていたら熱中症になりかけた」という大人の車内熱中症になってしまったという事例もあります。車内熱中症というと子どもやペットの事故がよく報道されますが、大人であっても車内熱中症に陥る危険性は十分にあります。暑いと感じられる際は、無理をせず熱中症回避のため行動しましょう。