社用車を有し業務に車を利用する企業では、交通事故を避け、安全を徹底することが従業員を守るためにも、企業活動上のリスクを避けるためにも非常に重要です。
交通事故の中でも、近年住宅地や市街地などで多く発生しており、道路交通法でも重要視されるようになっているのが自転車との接触事故です。
2026年には道交法改正により自転車の追い越し禁止ルールが新設されましたが、いったいどのようなルールで、安全のための自転車との距離確保では、どのような対応を行えばよいのでしょうか。
今回は自転車の追い越し禁止ルールについて、その基本から改正内容、安全運転のポイントを詳しくご紹介していきます。
1. 追い越し禁止の基本

まずは、自動車運転の際の追い越し禁止の基本についてご紹介します。
通常、赤の禁止マークの中に短い矢印を追い抜くような曲線を描いた長い矢印がある「追い越し禁止」標識のあるところでは、追い越しが禁止されています。
追い越し禁止には2種類あり、「追い越し禁止」の文字がある場合にはいかなる理由でも前方車両を追い越してはいけない、この文字がない標識の場合では道路の右側にはみ出しさえしなければ追い越しても良い、という意味になりますね。
1-1. 追い抜きと追い越しの違い
追い越し禁止の交通ルールについてお話しする上で、混同しやすいのが、「追い抜き」と「追い越し」との違いです。
交通ルールにおいてこれらには、以下のような明確な違いがあります。
- 追い抜き:車線変更を伴わず、同じ車線のまま前に出る
- 追い越し:車線変更を伴って前に出る
「追い越しルール」としてご紹介していますが、道路の左側を走行する自転車の場合には追い抜きであるケースも多いでしょう。
1-2. 追い越し禁止場所
追い越し禁止の標識が無くても、事故や危険につながるため、次のような場所では法令により追い越しは禁止されています。
- 交差点や踏切、自転車横断帯、横断歩道など
- 坂の頂上付近や急な下り坂
- トンネル内・見通しの悪いカーブ
違反すれば減点や反則金の支払いが命じられます。安全確保のためにも注意しましょう。
2. 【2026年4月改正】自動車による自転車追い越しルールとは?
それではここからは、2026年4月より改正・施行された自動車が自転車を追い越す際のルールについてご紹介します。
道交法改正により、これまでは「できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない」として曖昧にされていた自転車追い越し時のルールは、今回新設された道路交通法ににより、第18条第3項にて「十分な間隔がないときは、自転車等との間隔に応じた安全な速度で進行しなければならない。」と明確に記載されています。
この間隔は目安として1m~1.5mとされており、追い越し時には少なくとも1mの側方間隔を空けることが求められるということですね。
この距離が取れない場合には、減速し、十分に注意して通過することや、後方で待機することが求められます。
2-1. 改正された背景
改正の背景には、自転車との側方接触事故が多発していたことが挙げられます。
自転車ユーザーは増加していますが、自転車用道路の整備はまだ進んでいないエリアも多く、道路の端を走行することになります。
そのため、接触事故が多発しており、明確な規制により安全を確保することで接触事故の減少を目指し、今回の改正が行われました。
2-2. 違反した際の罰則
自動車側が自転車の追い越しルールに違反した場合では、2点の違反点数がつけられるほか、普通車では7,000円、大型車では9,000円の反則金の納付が求められます。
また、反則金を納付せず刑事手続きに移行する、もしくは危険度が高い場合には、3か月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金など、刑事罰の対象になることもあるでしょう。
3. 安全な運転のためのポイント

自転車追い越しの必要がある場合など、事故を避け、安全に運転するためには、次のようなポイントを意識することが重要です。
- 「距離」と「速度」両方を意識する
- 追い越し時は減速しておく
- 無理に追い越さない
目安となる距離が取れていればOK、というわけではなく、十分に間隔があったとしても、スピードが出ていればとっさの動きにも対応できず、危険性は高まります。
距離だけでなく速度も意識し、追い越し時には事前に減速しておくなど、安全を第一に考えましょう。
また、その状況から追い越すかどうか迷う場合には、無理に追い越さず、待機するのが最も安全な方法です。
リスクを減らすためにも、無理な追い越しはしないようにしましょう。
4. 安全運転のために企業が行うべき対策
自転車追い越しルールを含め、企業は法令遵守と安全運転のため、日頃から様々な対策を行うべきでしょう。
安全運転のために企業が行うべき対策として、主な対策内容をご紹介します。
- 改正内容を正しく理解する
- 交通安全講習の実施
- 保険の見直し
4-1. 改正内容を正しく理解する
まずは、企業が道交法などの改正内容を正しく理解することです。
役員などの経営陣・安全運転管理者等が率先して改正内容を良く理解することで、自社でどのような対策を講じるべきかを適切に判断できます。
また、従業員に内容を正しく周知することも、合わせて重要になりますね。
4-2. 交通安全講習の実施

定期的な交通安全講習の実施もおすすめの対策のひとつです。
新入社員など、業務での運転に慣れていない従業員への教育はもちろんですが、すでに講習を行った従業員に対しても定期的に講習を実施することが重要です。
定期的に講習を受けることで、法改正などの最新の内容を具体的に理解することができるのはもちろん、自身の運転の癖を意識したり、改めて基本のルールを再確認することで、安全運転への意識をより引き締めることができます。
4-3. 保険の見直し
企業のリスクへの備えとして、保険の補償内容も見直しておくと良いでしょう。
自転車追い越しルールが改正されたことで、これに違反し業務中に何らかの事故が起こった場合、企業が賠償責任を負わなければならない可能性もあります。
万が一のリスクに備えて、自社の社用車が加入している自動車保険の補償内容をしっかりと見直し、十分な補償が可能かどうかチェックしておきましょう。
保険の見直しは、補償内容やコストの最適化のため、専門家に相談するのもおすすめですね。
リンク:https://sonpo-seiho-kuc.jp/
まとめ
今回は自動車運転時の自転車の追い越しに関して、2026年4月より施行された改正道交法の内容も含めて、そのポイントや安全運転確保のための対策法などを詳しくご紹介しました。
業務で車を運転する企業では、交通事故を防止し、従業員の安全や企業の信頼を守るためにも、法令をしっかりと遵守し、安全運転意識を高めてリスクを軽減することはとても大切になるでしょう。
また、企業の安全運転確保には、法令の理解や講習などの対策だけでなく、安全運転管理者などによる日頃の車両管理も非常に重要です。
車両管理を効率的に行い安全運転を支援するために、車両管理システムの利用もおすすめですね。


