煽り運転被害に遭わないためにできること

 危険な煽り運転の被害は未だなくなることがありません。先月常磐自動車道で起こった、被害車両を停止させたのちドライバーへ「殺すぞ」などと怒鳴りながら顔を殴るという大変恐ろしい事件は、皆さんも印象に残っているのではないでしょうか。
 いつ自分が煽り運転の被害に遭うかは分かりません。そこで今回は、煽り運転の被害に遭わないよう自分ができる対処法をご紹介したいと思います。

煽られる原因

割り込みされる車 そもそもなぜ煽り運転をするのでしょうか。あらゆる状況があるかと思いますが、多くの場合「早く先へ行きたい」という先急ぎの気持ちから始まるのではないでしょうか。例えば、道路を走っている時に前方から自分の行く手を阻むように突然車が割り込んできたら、あなたはどんな気持ちになるでしょうか。「自分の運転ペースを崩された」「先を急いでいるのに邪魔された」などと苛立ってしまうことはありませんか?

 この苛立ちが煽り運転の始まりと言えるのではないでしょうか。ですから、このような気持ちにさせないような運転をすることが煽られることの防止にも繋がります。

煽り運転に繋がりやすい運転行動

 煽り運転は気持ちの苛立ちから始まります。ですから煽り運転をするドライバーに一番してはいけないことは、気持ちを苛立たせる事です。次のような行動は、「ペースを乱された」「邪魔された」と思わせ、さらに苛立たせてしまいがちです。注意して運転するようにしましょう。

  1. 急の付く動作(急ブレーキ、急ハンドル、急な進路変更など)
  2. 相手の前を低速で走り続ける
  3. 相手の前方へ突然割り込む
  4. 相手との車間距離をわざと詰める

 これらの行為は相手に「仕返しをされている」と勘違いされてしまい、さらに煽り運転をエスカレートさせてしまいかねません。また自分にはその気がなくても、知らぬ間にこのような運転をして相手を苛立たせている場合もあります。日頃から「後続車から煽られることが多いな」と感じている人は、この機会に自分の運転を見直してみるのもいいのではないでしょうか。

煽られない運転をしよう

 煽り運転のトラブルに巻き込まれないためには、回避することも大切ですが、そもそも相手をイライラさせないように運転することも効果的です。ここでは「煽られない運転」についてご紹介したいと思います。

1:右車線の走行は注意

 片側二車線の道路の場合基本的には左側車線を走行し、右側車線は追い越しや右折等の時だけ走ることができます。特に右側車線は追い越し車線として、スピードが速い車が走るものだと思っているドライバーも多く、ゆっくりと走っていると煽られる可能性が高いです。右側車線を使用する時は必要最低限にし、基本は左側車線を走行するようにしましょう。

左側車線を走る

2:無理を感じたら道を譲る

 運転技術には個人差があり、運転歴・体調・特性などによって異なります。周囲の状況を確かめて、流れに乗って運転をすることが難しいと感じたら後続車に道を譲りましょう。左右・後方の車の流れをミラーや目視で確かめて周囲の状況を敏感に把握できれば、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

後続車に道を譲る

3:車間距離は適正に

 車間距離を充分に取ることは、安全運転の基本です。しかし広すぎても狭すぎても、後続車を苛立たせる原因に繋がります。走行時も停車時も程よい車間距離を保ちましょう。走行時は前の車が通過した場所から自車が同じ目標物を通過するまで3秒以上の車間時間を取るといいでしょう。目安として「いちまるまるいち、いちまるまるに、いちまるまるさん」と数えると分かりやすいです。

車間距離3秒以上

4:合図を活用する

ハザード合図 例えば車線減少等で運転をしていて割り込むつもりがなくても、結果的に割り込みのようになってしまう状況があります。そういった場合には、進入する前に相手へ手を挙げる、進入してからハザードランプを数度点滅させるなどの合図を活用しましょう。お礼の気持ちを伝えるだけで、相手のイライラを抑えることができます。

最後に

 道路は自分だけのものではなく、周囲のドライバーも含め皆で気持ちよく使いたいものです。その為には、周囲の交通状況に合わせた運転が重要になってきます。周りの様子をこまめに確かめる、合図やアイコンタクトなどでドライバーとのコミュニケーションを取ることで、自分も周りのドライバーも気持ちよく運転ができるきっかけになるはずです。
 万が一煽り運転を受けても相手に不必要に関わらないようにすれば、トラブルに発展するリスクを抑えることができます。自分の気持ちとハンドルをきちんとコントロールして、安全運転に努めましょう