徹底比較!ETCコーポレートカードとETC法人カード

 日頃高速道路での移動が多く、仕事でもETCカードを利用されている方も多くいらっしゃることでしょう。ETCカードには、個人向けカードと法人を対象にした法人向けカードがあります。そして、法人向けのETCカードには大きく分けて「コーポレートカード」と「法人カード」があります。その違いを皆さんはご存知でしょうか。

 今回は、ETCコーポレートカードとETC法人カードの違いを比較していきたいと思います。

ETCコーポレートカードとは

 ETCコーポレートカードは、NEXCO(東・中・西日本高速道路会社)から発行、貸与される大口利用者向けの車両限定ETCカードです。車両限定ですから、1台の車載器につき1枚のカードが発行され、それ以外の車両で利用することは出来ませんが、このカード限定の割引である「大口・多頻度割引」が利用可能になります。

ETCコーポレートカードの特徴

1:大口・多頻度割引が適用される

 この割引はETCコーポレートカード限定で適用されます。1台の月額利用金額に応じて、最大30%の割引が適用されます。また、契約単位での利用金額が一定の条件を満たすとさらに割引が適用され、数あるETC割引の中でも高い割引が受けられます。
※平成28年3月までは激変緩和措置として最大40%の割引となります。

大口・多頻度割引

2:高速道路の利用状況が把握しやすくなる

 利用状況が把握しやすい毎月の利用明細には、カード単位の利用状況が明記されます。ETCコーポレートカードは指定した1台でしか利用できないため、1台分の利用状況が示されていると言えるでしょう。そのため、車両運行状況が把握しやすいのです。

3:まとまった月間利用額が必要

 まとまった月間利用額が必要月間利用額が5,000円以下の場合には大口・多頻度割引の車両単位割引が付帯されません。割引金額も利用額に応じて増えるため、まとまった月間利用額がない場合ETCコーポレートカードの恩恵を十分に受けられない可能性があります。

4:利用できる車両が限られる

 記名車両のみ利用可能ETCコーポレートカードは1枚に対し、1車両のみ利用可能です。発行時には使用する車両番号がカードに記載され、レンタカーや代車等、他の車両で利用することができません。

5:大口・多頻度割引の適用条件は非常に複雑

 大口・多頻度割引は、NEXCOが指定する道路でのみ割引が適用され、一般有料道路の多くでは割引が適用されません。また、平日朝夕割引との重複適用がない等、非常に複雑な条件があるので注意が必要です。

ETC法人カードとは

 ETC法人カードは、クレジットカード会社や事業協同組合が発行する法人向けETCカードです。ETCコーポレートカードのような高い割引制度はありませんが、通行料金の支払額に応じてポイントが貯まる「マイレージサービス」が利用できるのがポイントです。

ETC法人カードの特徴

1:マイレージポイントが貯まる

 個人向けのETCカードでもおなじみのマイレージサービスが利用できます。通行金額の支払額に応じて貯まるポイントを、還元額(無料通行分)と交換することが出来ます。月間利用額が5,000円以下でもポイントは貯まるため、ポイントを貯めて還元額(無料走行分)として還元することができます。

ETCマイレージサービス

2:車を選ばず利用できる

 車を選ばず利用可能ETCコーポレートカードとは異なり、車を選ばずカードを利用することが出来ます。例えばレンタカーや個人所有者を社用車としている場合や、1枚のカードで複数の車両で利用したい場合、車検点検時の代車で利用したい場合にはETC法人カードが最適です。

3:多くの高速道路・有料道路で利用できる

 ETCマイレージサービスが利用可能な高速道路・有料道路はETCコーポレートカードに比べ、多数あります。

コーポレートカードと法人カードの違い

 簡単にではありますが、2つのカードの違いを表にしました。詳細な割引率や利用条件等はホームページ等でご確認ください。

ETCコーポレートカードETC法人カード
発行形態 NEXCO(東・中・西日本道路会社)より発行 各種カード会社や事業協同組合が発行
大口・多頻度割引 適用される 適用されない
割 引

平日朝夕割引・深夜割引・休日割引は適用

ただし、大口・多頻度割引制度はこれらの割引対象外部分にのみ適用される
平日朝夕割引・深夜割引・休日割引は適用
マイレージ
サービス
対象外 利用可能
割引(還元)方法 当月の請求内で割引適用 翌月20日に還元額(無料走行分)として付与され、金額分の無料走行が可能
利用条件 1:車両固定カードのため、複数の車両では利用不可
2:1台の車載器で、カードを1枚のみ作成可能
1:カードを複数車両で利用可能(1枚を複数車両で使用し、ポイント貯められる)
2:1台の車載器でカードを複数作成可能
割引(還元)
対象道路
NEXCOが指定する高速自動車国道と一般有料道路の一部(京葉道路、東京湾アクアラインのみ)
他の一般有料道路は割引対象外
高速自動車国道と一般有料道路
ただし、ポイント付与のない道路・区間が一部あり(還元額の使用は可能)
割引(還元)を受ける上での注意点 1台の月間利用額が5,000円以下の場合、大口・多頻度割引の車両単位割引が適用されない 月間利用額が5,000円以下でもポイントは貯まる
申込方法 1:NEXCOへ直接申込み
2:事業協同組合経由で申込み
各種カード会社へ申込み(各種事業協同組合が発行するカードの場合、協同組合へ加入し、申込み)

 発行手数料等の費用や手続きは、申込みを行うカード会社・事業協同組合により異なりますので、前もって確認する必要があります。

ETCコーポレートカードを事業協同組合経由で申込みする理由

 メリットとしては、ETCコーポレートカードを使用する際には、NEXCOに対して現金または銀行保証で支払保証が必要となりますが、事業協同組合が纏めて支払保証をします。契約者単位割引の条件、月間利用額および車両1台あたりの利用額が事業協同組合単位で判定されるため、加入を希望する法人1社で条件をクリアしなくても事業協同組合(=契約者)単位で判定されるため、直接申込みされるよりお得になる場合があります。

どちらのカードがお得?

 初期導入費用が発生する場合がありますし、ETCカードの利用状況も法人によってまちまちですので、一概にどちらのカードが得と言い切ることはできません。しかし、目安としてはNEXCOが指定する有料道路を1台あたり月額3万円以上利用するようであれば、ETCコーポレートカードの利用を検討するとよいでしょう。また、利用額が多くない、使用車両の限定が難しい場合にはETC法人カードが向いていると言えます。

 利用状況に最も合ったカードを選定するためには、現在の利用状況を洗い出し、コストシミュレーションを行う必要があります。弊社でもETCカード手配の代行業務を行っております。まずはお気軽にご相談くださいませ。

<掲載内容は、2015年9月15日現在の情報です>